ヘリコプターのへりくつ
電動ヘリのジャイロについて
電動機を中心にジャイロの変遷
ちなみにエンジン機は、カバン>三共>三和>双葉の153>153BB>G501>GY501>GY502 で今に至ります。
双葉 G155 コマ(機械)式ジャイロ
当時市販世界最軽量のジャイロ。感度切り替え無しの汎用ジャイロG154当時、KOから30グラムのジャイロが発売となり軽量でした。
当時最も軽かったのはアイソニックがEH650に付属して発売していたものでしたが、電源電圧の影響を受けやすく、コンバートEXではKOのジャイロに載せ替えていました。
その後、双葉からさらに軽いジャイロが発売になり、G155として手元に来ました。
機械式のため、定期的なメンテナンスは必要となりますが、使いやすいジャイロでした。
GWS キャラメルくらいの(名称忘れました・・) 圧電振動ジャイロ
エアーサプライから台湾製の圧電振動ジャイロが入ってきました。台湾製という事で信頼性に不安を持っていたのですが、この製造元はあのGWSです。当初コンバートEXに使用。
EPコンセプトでかなりの間使っていました。止まりは「圧電振動ジャイロ!!」という程では無かったのですが(当時30クラスに使っていた双葉のG501の圧倒的な止まりに比べた場合です)、機械式ジャイロに比べ性能の安定性は比較になりませんでした。
感度切り替えの必要を感じ、後にGY401に変更しました。
JR ステアリングセンサー 圧電振動ジャイロ
NIFTYの方に教えて頂きました。本来は自動車に使い、スピンに入りそうになったときに電気的にカウンターをあてさせる姑息な?パーツです。
これが模型店にごろごろ在庫で残り始めた頃に、ヘリのジャイロに転用を思いつかれた方がいらっしゃり、NIFTYでは電動ヘリ用ジャイロとして当たり前のように使われておりました。(カルチャーショックでした はい)
動作感度はヘリ用ジャイロには及びません。しかし機械式をはるかにしのぐ安定性で実用上は問題ありません。
シュワイザー仕様のEPコンセプトにまだ使っています。(GY240と入れ替えてやらねば・・・)
双葉 GY240 圧電振動ジャイロ
現在はEPコンセプトの純正指定されたジャイロです。やっと双葉が電動機に使える圧電振動ジャイロを出してくれたと、当時思いました。
ジャイロ本体のスイッチの切り替えで、ノーマルとヘディングロックの切り替えができます。
30クラス以上と比較し、高速なデジタルサーボは電動ヘリには使えないのですが、それでもラダー操作を意識しなくても良くなる程の圧倒的な止まりを持っています。
設定は、初めて電動ヘリを買った人には少し難しいかもしれません。
ヘディングロックモードでの旋回で、常にラダーを操作しなければならない、と模型店で聞いたのですが、以前のジャイロではそれは当然ですので、飛行中の機首を常に意識していれば問題ないでしょう。
感度切り替えが必要なければ、電動ヘリにはお勧めです。
双葉 GY401 圧電振動ジャイロ
GY240とほぼ同時に発表されましたが、発売は少し遅れました。GY240の機能に加えデジタルサーボ対応、送信機側からの感度調整可能、といったあたりが違います。540度には在って欲しい機能です。
非常に小さなジャイロですが、GY501より優れた素子を持ち、電動ヘリでは何ら問題のない止まりを持ちます。
双葉のT9Z等の送信機を使用すれば、フライトコンディションに応じてノーマル・ヘディングロックの使い分けが可能です。
EPコンセプトとボイジャーEで現在使っています。ラダーサーボにはS−3101を使っていますが、止まりに問題はありません。
上空演技の出来る方にはお勧めです。
この10年くらいの間に、ジャイロは圧倒的に進歩しました。ボディにボリュームを付けて着地させてはノブを回し感度調整をしていた時代とは別世界の様です。
固定ピッチヘリ全盛の頃は、テールローターの効率もそれほど高くなく、風が強い時は風下で一杯に操舵しても向きが変わらない、そんな時代もありました。今の電動ヘリでそのような現象は絶対に起こりません。先人の苦労に感謝です。
テールが安定しない・・・
電動ヘリはテールが安定しない、テールローターの推進力が足りない、という話を時々聞きます。
エンジン機と違い、モーターのトルク変動の少ない電動ヘリでは、ジャイロ無しでもそんな暴れないのです。
ところが、飛行中にふらふらとしてしまう現象は珍しく無いようです。
そこで ここを点検してみてください
テールピッチを操作するピアノ線はサーボホーンからテールピッチのクランクまで真っ直ぐになっているでしょうか?
EPコンセプトの場合、標準の位置にラダーサーボを取り付けた場合、サーボ側のピアノ線がテールブームから少しきつい角度でサーボホーンに向かいます。ボイジャーEでも同じです。
ここがもし一部でも急な曲がりがあると、サーボの動き通りにはテールのピッチが変わりません。
ピアノ線だから多少の曲がりは大丈夫!とは思わないでください。
EPコンセプトの場合、サーボホーンの側にはロッドストッパーを使うようになっています。このストッパーをホーンに付けるときには、必ずドリルの刃で穴を開けて下さい。きつめに仕上がってもねじ込めば入りますが、動きが渋いとホーンが動いたときにピアノ線を横に振ってしまいます。横に振ると舵が逃げてしまい、いくら良いジャイロを使ってもテールは安定しません。
ストッパーは指先でくるくると回るくらいスムーズでなければいけません。
もし・・加工が可能ならば・・・
EPコンセプトの場合、サーボホーン側とテールのクランク側を両方ともボールリンクにしてしまいましょう。ガタが消え動作がスムーズになります。
ボイジャーEの場合は、ロッドガイドの穴を少しだけ広げます。(両側からキリで広げて、真ん中くらいだけ元の大きさ)(もしくは2.2ミリ程度のドリルを通します)ロッドが斜めになった場合に穴が狭いと抵抗になります。ガイドはもったいないですが、キット指定の通りに全部付けるのではなく、2カ所か1カ所で良いでしょう。(少しでも抵抗を減らすためです)
テールの推力が足りず、トルクに負けて機首を振る場合
30クラス機用のテールブレードを流用し、面積を拡大する方法もあるようですが、場合によってはモーターの負荷が過剰に増えてしまいます。
テールの推力が足らないと感じた場合は、テールのピッチを増やすのではなく、メインローターのピッチを下げ、より高い回転でホバリングするように調整します。そうすると、ホバリングの時のテールローターの回転数も上がり、ピッチも少なくて済みます。
モーターの負担が軽くなり、舵も良く効く様になるはずです。
がんばって調整しましょう。
キーエンスのジャイロ
キーエンスの製品(レボリューター・ジャイロソーサー)に使われているフリージャイロ(下向きに真鍮のフライホイルがついているもの)は、良く観察するとジャイロの回転軸の真下に上向きの突起があります。
レボリューターもジャイロソーサーも非常に安定の良い(というより標準感度では舵があまり効かない)機体ですが、たまに急激に暴れて落ちることがあります。
これは機体の傾斜角が一定以上になっても、フリージャイロが水平を保とうとし、フライホイルと突起が接触しその反動でジャイロが暴れる事が原因です。
旋回中に突然バランスを崩して墜落するケースはこれです。
ジャイロソーサー2ではオブションで通常のジャイロがありましたが、レボリューターには搭載されていません。
過大なバンクを取らない事を意識しておきましょう。(ジャイロソーサーだと空中でひっくり返ります)
レボリューター用のニッケル水素電池が発売になった頃に、レボリューター本体も仕様変更されました。
この変更が、フリージャイロのフライホイルの重さの増加と、角度制限用トッパー(問題の突起)の廃止です。
目立たない箇所ですが、大きな進化です。
レボリューターで遊んでいた頃、師匠にジャイロ感度調整の話を聞き(それ以前にジャイロソーサーも感度調整はしました)、もしレボリューターの操縦性に不満があるなら、キーエンスに送るとユーザーの好みに合わせて再調整してくれるという事でした。
構造上、飛行中にジャイロのドリフトが起こりニュートラルがずれる事があります。この場合はすぐに着陸させ、送信機の電源を切り、フリージャイロの回転が完全に止まるまで待ち、必ず水平な場所へ機体を置き、再度送信機の電源を入れ、フリージャイロを再起動します。
これで解決できます。
ジャイロソーサー、初めて目にしたのは京都のエンジンプラザユニさんでした。まだ全国販売ではなく、テスト販売だったようでキーエンスという会社も知らず(気を付けてみると広島にも支社があり営業車は良く見ます)、箱を開けるとエポキシ基盤とモーターのついた発泡スチロールのかたまりで、とても飛ぶようには思えませんでした。
電子技術で強引に浮かせる、そんな世界です。
外国のメーカーからもう一回り大きいサイズのモデルも売られている様です。
湾岸戦争で米軍が使った電動無人偵察円盤は、ジャイロソーサーの親玉でした。直径30センチくらいのものや1メートルくらいの物があり、リチウムバッテリーで相当な時間滞空できるようです。
タンデムフライは村田製作所の圧電振動センサーの威力で、あの機体を強引にホバリングさせていましたが、120mah 6セルでは電源電圧が安定せずジャイロ感度に影響を及ぼしていました。
高価な事と調整がシビアすぎる事もあり今は消えてしまいましたが、技術革命に等しい画期的な製品でした。
2001/02/28
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