工房しろくま
グライダーの部屋
カシオペア ミニASK21
受信機:TAMAZO FM6ch 72Mhz
サーボ:TAMAZO TS-1032 *4
モーター:ハイペリオン 1913-10-30 (K&Sのアウトランナーに変更)
ESC:キャッスルクリエーション サンダーバード18
電源:サンダーパワー 730mah 3セル (もしくは デュアルスカイ600mah3セル) 電動仕様時 純グライダーの場合はニッケル水素400mah4セル
重量:380グラム(位)(電動仕様時)
カシオペアから発売になった1200クラスの小さなスケールグライダーです。昨年の5月に破損したサーマル工房のASKの後継機をいろいろ考えていましたが、カシオペアからミニフォックスが発売となって入手して作ろうかと思っていたところASKの小さなのも発売になると聞き、待ってこちらを先に製作しました。
胴体はABS(将来的にグラス製が出るかもしれないとは聞きますけど)でスロープの斜面に降ろすにはちょっと・・でありますが、いろいろ対応方法はあります。
小さな機体なのですが、まとまった製作時間が取れないため、少しずつ製作しやっと完成しました。
ご注意
小さなグライダーなので専門誌等で「初心者向け」と何故か頭ごなしに書かれている事が多いようです。経験の豊富なフライヤーならご理解されると思いますが、小さな機体の方が価格は安価な物が多いですけど、飛行特性や操縦性に関してはシビアになります。(だから条件が良ければ大きな飛行機が楽なのです)
このミニASKは丁寧に製作しじっくりと調整を詰めて行けばこのサイズとしてはかなりの性能を持ち、モーターを使っての平地でのサーマルフライトやペラを外してのスロープフライトで驚くほどのフライトが実現可能です。
しかし、そのためにはある程度のレベルの製作技術とグライダーの操縦スキルが必要となります。
ころころ転けやすいという評価をされる方もありますが、軽量なサーマル専用機の様な低速での浮きはできません。また速度を失わせてしまうような乱雑な操縦では本来の性能を発揮することはできません。製作時のわずかな狂いで主翼翼端がねじり上げ方向にずれていればなおのこと転けやすい機体となります。
こういった部分に自信の無い方は、主翼をメーカーで仕上げられた半完成セットを購入される事をお勧めします。
価格が安く小型であれば「入門者用」と見てしまい、コストをかけて作られた機体には「高い」と言う事の多い市場では仕方ない事ではありますが、真面目に取り組んでやると非常に良く飛ぶ機体なのでご理解下さい。
レーザーカットのキットですし、胴体はABSですので製作はそれほど問題はありません。
私のはごく初期のロットだったのですが、主翼下面のプランク材で翼端リブの位置決め穴が片側3ミリであるところが先端と根本が逆になっていた以外は問題ありません。
前縁材や後縁材を使わず、プランク材の突き合わせで処理しますが、ガイド板を作って丁寧にサンディングしてやれば意外に正確な主翼ができます。
ただ・・個人的にはスパー材の強度が足らないのか、上下プランク時に定盤に固定していたにもかかわらずプランク後に変形してしまいました。フィルムを貼った後では精度や強度は問題なくなりますので大きな事ではありませんが、上下フルプランクで作り直した方が強度は上がるような気がします。(しなりという面では純正のままがやはりいいのかもしれません)
キットに入っているレーザー加工済みのバルサ板の厚みが不揃いであったり、1シートから無駄なくパーツを切り出すため、あまり木質の良くない部分も使うのはしかたないかもしれません。
主翼上下のプランク材のサンディングは組み立て前にプランク材を貼り合わせた後、根気よく丁寧に仕上げてやると良いようです。
いずれにしろ小さな機体ですのでちまちまと丁寧に作り込んでやるのはなかなか楽しい作業です。
主翼後縁の裏面には3ミリ幅のカーボンテープをサンドペーパーでごくわずかな段差を作ってやって(#100ペーパー2枚分程度)瞬間で接着した後に上面側を0.6ミリピアノ線をゲージにして研ぎ出します。(実際にはオラカバを張り込みますのでそれほどぴんぴんに尖るわけではありません)
虫ピンでちょこちょこ突いて小さな穴を開けて低粘度瞬間を染みこませて補強していくのも有効です。運搬時にぶつける事による変形の防止にはカーボン貼り込みは有効です。
前縁も同様に瞬間を染みこませて補強してやります。
胴体はABSです。メーカーのテストでは何も問題無い様ですが、スロープで突っ込ませた場合に強度に少し不安があったため、主翼取り付け部の内側の補強リブから前側の胴体内側にマイクログラスを高粘度瞬間をたらしてはラップを巻いた指先で伸ばして貼り込んでやりました。底面部は2プライです。ABSと瞬間の相性はけっこう良い事もあり、わずかな事ですが胴体前部の強度はかなり向上しました。(平地でモーターだけで飛ばすなら要らないことだと思います)
水平尾翼の取り付けは標準ではタッピングビスですが、2.6ミリのシンヘッドスクリューに変更し、受け側へアルミのナイロンナット(ヘリのボディーなどにつかうやつ)を瞬間で埋め込み、余分な箇所を削り落としてあります。運搬箱に分解して持ち運ぶのが前提ですので、長い目で見ればこちらのほうが良いです。
水平尾翼のビス穴はノイズレスパイプを埋め込んで内径を2.6ミリに変更しましたが、アルミパイプか真鍮パイプを使う方が良いでしょう。私は1機目では加工しませんでしたが、水平尾翼の中央部をマイクログラスの瞬間貼り(高粘度を塗り伸ばして)で補強しておくとネジ止めで更にしっかりとすると思います。
リンケージロッドはキット付属の物で良いと思いますが、アウターパイプの内径がちょっと大きすぎるような気がしたため、QRPの0.8ミリステンレスロッドとアウターパイプ(外径2ミリ)に変更しました。インナーは純正でも0.8ミリです。
説明書にあるようにアウターのカーブに合わせてインナーも緩く曲げておくと動作がスムーズになりますが、サーマル工房のASKやカシオペアの大きなASKと同じくロッドをカーブさせてT尾翼のエレベーターを動作させるとわずかなガタが出てしまいやすいため、より精度の高いロッドを使われる方が良いでしょう。QRPの物に変更し、エレベーターは非常にしっくり操作できます。
垂直尾翼のロッドが通る穴は3ミリ幅ですので、アウターパイプの先の方へナイロン糸を瞬間で巻き付けて太くしておきます。
主翼取り付け部は元々しっかりした設計になっており、非常にかっちり仕上がりますが、胴体内側の補強板をカンザシ部分と同じ幅の細い物を作り、後縁側にも付けておきました。これで主翼取り付け部分の胴体の平行度がしっかり維持できます。
(胴体内カンザシアウターパイプの補強板の下側の余分な所を予めカットしておくと(ロッドのアウターパイプの受けは残す)よりサイズの大きなバッテリーを搭載するときに楽に出し入れができます。
ABS胴体ですが、こういう事でけっこうしっかりしたものになりました。(ちょっと重くなりましたけど)
キャノピーは現物合わせでカットしていきますが、キット付属のラインテープはのばし気味に貼っていかないと足らなくなったため、白のカッティングシートで貼り替えました。
フィルムはオラカバの白を使いました。胴体のABSとちょっと色が合わないです。オラライトのスケールホワイトの方がもう少し青が強くて合いそうですね。
モーターは当初K&Sのアウトランナー(推奨品と同等)を付けてみましたが、仮組みで重心位置が前過ぎるように感じたため、ミニFOX用に買っていたハイペリオンの物に交換しました。(性能的にはほぼ同じ)
(後にK&Sのモーターに戻しました)
専用スピンナーに8*4.5のペラでパワーは3セルでも過剰なくらいあります。
バッテリーは40ミリダクトで使う50グラム前後バッテリーがそのまま使えますので、楽勝。(⌒∞⌒)
もう少しKVの高いモーターで2セルの1350mahというのもありかもしれないですね。
バッテリープレートはバッテリーの幅に合わせて胴体の低い位置に貼ってやった方がバッテリーの搭載が楽になると思います。
サーボはTAMAZOなどで軽量薄型で信頼性のあるものがありますが、ニュートラル精度はポテンションメーターのサイズが圧倒的に影響しますので、搭載に問題が無ければキット指示のJRか同等品を使うのが無難でしょう。
カシオペアさんのHPからステッカーのデータを落としてきて、透明フィルムラベル(下地が白ですので、このほうが色が合います)にプリンターで出力し、水性艶有りクリアーをしっかり吹いて仕上げます。
京大の航空部らしきマークもしっかり貼り込みます。うちの大学(龍大)は私がいた頃はASK13でしたが、今は何使ってるんでありましょうか。入っておけばよかった航空部。ランニングさんざんさせられるのが嫌で入れなかった根性無しであります。
仕上がると小さくてもしっかりとスケールグライダーです。スモークのキャノピーもなかなかよろしいです。
この機体は主翼が片側60センチ程度なので、分解するとローターケースに入ります。
ヘリでもローターケースは使ったこと無いのに、この機体用に買ってきました。ブレードをはさむスポンジは切り取らないといけないのでローターケースとしてはもう使えませんが、(またスポンジカットして貼れば良いです)小さな機体を破損や熱から守るにはなかなか良いです。
サイドのパニアケース付けた2輪なら全幅がこれより大きくなりますので、防水を考えてやれば後席に載せてあちこち行けます。
テストフライト
九州での遠征飛行会に持って行って楽しく過ごす予定でありますが、地元で初期調整だけしておきたくて、完成翌日に風が強いのに行ってきました。
モーターを軽いものに交換しましたが、結局それでも尾部に5グラムちょっとのウェイトを追加。これで説明書指示の強風用重心位置になります。
風が5m近くありましたので、軽い手投げをしてもそのまますーっと進んでいきました。エルロン補正の感じを掴んだのでモーター回して上に上げます。
風のせいか、乱流のせいか機体はかなり暴れます。ノーコン?と外野が行ってましたが、「重心後過ぎじゃないですか?」との外野の言葉にふと気づき、尾翼のウェイトを外して再びランチ。
今度は素直に上がって行きます。モーターはおとなしめどころか風が強いためかなりの角度で一気に上がって行きます。機体が小さなためあっという間に小さくなります。
主翼の翼弦が短いためサーマルモードでフラッペロンのダウンは少なめにして置いた方が良い様に思えます。
飛ばした感じはサーマル工房のASKにかなり似ています。小さな割りに浮きも良く(とはいえとんでもない強風でしたが)乱流にやや振り回され気味なのをのぞけば大きな癖は無い様です。
ダイブさせるとそこそこの速度もでますし運動性も問題在りませんが、対気速度をあまり落とすとコロンと成りがちな癖はASK固有なものかもしれません。
グライダーだけJRのPCM9X2に変えてだいぶ慣れましたが、慣れるとグライダーに関してはこちらのほうが設定は楽です。
風が強かったため、着陸の誘導は大した問題もなくブレーキの様子を見ながらしっかり誘導できます。小さな割りにダウンを当ててやるとちゃんと伸びてきます。
小さな車輪ですが、50センチほど滑走して停止。
トリムはこれでもまだダウントリムですので、もしかするとK&Sの重いモーターでかなり重心前目の状態でも良いのかもしれません。キット指定値の強風用(カンザシのセンターから15ミリ程度前)より少し前位の位置から少しずつ下げながら調整していくほうが安全かもしれません。
スロープの場合は、モーター外さずにそのままノーズコーンを付けて、受信機用バッテリーで重心位置をほせいしてやると良さそうです。バラストもバッテリー大のベニヤ板に鉛を貼って、マジックテープでバッテリー位置に貼ることも可能の様です。
スロープでどこまで飛ぶかちょっと楽しみ。
なかなか面白い機体になってくれそうです。やっぱり小さな機体が私には合ってるのかもしれないです。可愛いけど立派なスケールグライダーです。
テスト2
モーターをK&Sの物に交換し、もう少し重心位置を前に出してみました。Kv値は似たようなものですが、ハイペリオンの方が少しパワフルに感じます。とはいえスイッチでのオンオフで使っているので10秒も回せば十分な高度まですっ飛んでいきます。
重心が少し前に出たせいか、飛行姿勢や伸びはちょっと向上したようです。主翼がすこし捻れているので(フィルムで補正してますが)速度が落ちてくると変な癖がちょっと出てしまいます。
サーマルモードでのエルロン下げは少なめの方が良いようです。小さな機体ですのでゆったり浮かせるより速度を維持させた方が浮きは当然良くなります。
サーマルモードではエルロンからラダーへのミキシングを少し多めに設定していますが、エルロンの差動が設定できていればミキシング量は一般的なスケールグライダーよりは少なめの方が素直に飛ぶように感じました。
ダイブさせるとそこそこの速度は出てくれます。
主翼の精度が少し気になってきましたので(もっと良く飛ぶ機体になりそうなので)主翼の作り直しを考えています。簡単な治具作って固定した状態でフルプランクで仕上げると、ちょっと面白い物になりそうな気がしてます。
カシオペアさんからもミニフォックスはグラス胴体にフルプランクの仕様が発表になりましたが、ASKのその仕様が待ち切れませんので、ちょっと興味津々であります。
胴体はつなぎ目と色を気にしなければ内側からのマイクログラス貼りで強度は十分な物がでてくれています。
その後
だいぶ飛びも安定してきましたが、急旋回での変な巻き込みがあったり、エルロンのトリムがけっこうずれています。フィルム貼りの時に主翼は修正したのですが、根本的な解決にはならないため、主翼を1セット別に作っています。
今回はフルプランクにして、上面プランク時には下面プランク材の前後縁に下駄をかませ、そのまま定盤に高粘度瞬間の点付けで固定した状態で作業します。
ここまでしなくても普通は捻れませんが、ちょっと意地になって小型のスケール機を作るような事までしてます。
後縁も今回は遠慮無く尖らせてやりました。
生地完成の状態で、主翼の捻れ剛性は圧倒的に向上しています。これなら風の強めのスロープで走らせても変な癖は出ないでしょう。少し重量は増えましたが、それでもキット指定値の軽めの部類に仕上がってくれそうです。
2機目のキットも主翼の下面プランク材の後縁側のカットで間違いがありました。
片側の後縁下面プランク材のリブ穴が、翼端側と付け根側で間違っています。付け根側は幅3ミリでカットしてありますが、ここは1.5ミリのベニヤのリブが入りますので、穴の外側(胴体側)に一杯寄せた位置が正規のリブ位置です。翼端側は3ミリ厚のリブが入りますが穴は1.5ミリ幅なので穴の胴体側の幅を広げて(外側はそのまま)3ミリに拡大してやります。
単純なミスですので、訂正があれば新ロットから修正されると思います。
付け根側のリブ(W16)の角度を誤ると主翼の前後の角度がずれてしまいます。念のためゲージでチェックされることをお勧めします。
重心位置をかなり前に出してやらないと走らなかったり変な巻き込み癖があったのは主翼のねじれが原因なのかもしれません。
手持ちにミニFOXのキットもあるのですが、これもあっさり最初からフルプランクで作ってやる方が面白い機体になりそうです。
というわけで、フルプランク版の主翼も完成。わずかな加工ですが、捻れ剛性は大幅に向上しました。このサイズのスケールグライダーなのになかなかのポテンシャルを持っています。これだとスロープでもかなり遊べるのでは、であります。
フルプランク主翼テスト
風がかなり強い(4から5M)状況でしたが、主翼の変化が知りたくてテストフライトをほんの少ししてきました。
おかげさまでトリムずれはほとんど無し。風が強いのにもかかわらず、動きは非常に正確です。これが本来の性能なのでしょうか、機体が小さく遠近感が少し違うことをのぞけば1.6mクラスと遜色ない飛びです。
サーマルでの浮きも良いですし、旋回での巻き込みも消えました。スピードモードでダイブさせると結構な速度で走ってきますし、着陸時の姿勢も安定しています。
これは相当に良いであります (^∞^)
スロープへ持って行っても遊びまくれるでありましょう。
加工は非常に簡単ですし、剛性は圧倒的に上がって重量増加が問題にならないくらいメリットは大きいので、お勧めであります。
スロープにてテスト
阿蘇へ行く機会があり、大観峰にて夕刻にちょっとだけテストしてきました。
当初風は2m程度コリブリがなんとか浮いてくれる位でしたが岩盤からのサーマルも入って状況が好転したのでASKを投げてみました。
フルプランク主翼に変えてから走りも操縦性も格段に向上しているのですが、スロープでもそれは同じでした。モーターとESCはつけたままノーズコーンに交換。動力用バッテリー位置へ受信機用の400mahニッケル水素を載せてやりました。
モーターをおろしてノーズコーンを付けるアダプターも自宅で作っていたのですが、結局重心を合わせるのにモーターと変わらない位のバラストが必要となるため(モーターグライダーと兼用のメカ配置の場合)アダプターはボツとなりました。
非常に良く走り、良く浮きます。スピードモードでダイブさせると1.2mのスケールグライダーとは思えない飛びができますし通常のループやロールでの操縦性も非常に正確で気持ちよいです。後縁を研ぎ出したのが良かったのか風切り音もラディナDX並(音が出てるのは速度のロスではありますけど)
これは侮れないとんでもないミニスケールグライダーとなってくれました。
大満足(⌒∞⌒)
見た目が小さいので速度を感じるのかもしれませんが、これは楽しいです。
スロープで遊ぶ用には是非フルプランクで作る事をお勧めいたします。
至福の一時を過ごすことができました。このシリーズ侮れませんです。
送信機の設定について
グライダー経験の普通にある方なら普通に設定されている事なのですが、JRのPCM9X2(私のはヘリ用なので飛行機用とコンディションスイッチとモータースイッチが逆になります)での設定を簡単に書いておきます。
送信機は加納さんのHPやkomacro.comの駒宮さんの所で詳しく解説されているように、グライダーモードで送信機肩の3Pスイッチで3つのフライトモードを選択できるようにします。
通常はこれでスピード(スイッチ奥) クルーズ(スイッチ中央) サーマル(スイッチ手前)の3つを切り替え、それぞれフラップのオフセットを設定し、トリムはそれぞれのフライトモードで個別に設定できるようにしておきます。(取り扱い説明書に書いてありますので、じっくり読みましょう)
9X2だとフライトモードをもう一つ設定できますが、これをモーターグライダーの場合にモータースイッチを標準の(MOTO)で指定されるスイッチからこの4つ目のフライトモードのスイッチに割り当て、スイッチによるオンオフでモーターを制御します。この場合モーターは単純にオンオフだけの動作になりますが、モーターグライダーとして普通に飛ばす場合はこれで何ら問題ありません。(中速で延々とペラを回して飛ばすという事はあまりしません)
この場合、モーターコントローラーでソフトスタートの設定をしておけば急激に回り始めるショックが多少軽減されます。(このクラスでは無視してもかまいません)(センサーレスのブラシレスモーターはどっちみちタイムラグはあります)
どうしてもゆっくり回したいという人は、モーターコントロールのチャンネル(5chなど)に送信機両肩のレバーの好きな方からミキシングをかけておくとゆっくり回してコントロールすることは可能です。(この場合モータースイッチはかならずオフの状態でレバー操作します)
4つ目のモーターON時のフライトモードも各トリムやフラップオフセットが個別に設定できますので、フルパワーでの上昇に合わせてフラップやエレベーターを微調整できます。
この4つ目のコンディションは、たとえばDLGグライダーならランチモード(4つ目を解除したら即座に3つのモードのどれにでも移行できる)スロープグライダーならスタントモード ショックコードや曳航索で上げる機体ならランチモードとして使えます。
この部分はPCM9X2の非常に良くできている部分です。またエルロンサーボ2つにラダー・エレベーターの計4個のサーボでコントロールする機体なら軽量な4ch受信機が使えます。
双葉のFF9でもほぼ同様の考え方で設定できますが、フライトコンディション(双葉式の呼び名)が3つしか取れない代わりにモーターコントロールはスイッチでもレバーでも自由に指定できます。しかし3つのフライトコンディション以外でのトリムオフセットや操縦しながらのフラップ設定は少し難しいので、プログラムミキシングを使ってクルーズ(ノーマル)モードを基準に補正ミキシングをかけて使います。DLGグライダーではランチ・クルーズ・サーマルの3コンディションで使うのが簡単です。
エルロン両上げのエアブレーキ動作は、ブレーキスイッチをオンにしてスロットルスティックで行います。この使い方だとブレーキミキシングがオンになったままモーターを回してしまう危険があると言われますが、実際の飛行ではそういう状況にはなりにくいと思います。アプローチやり直しなら、まず先にブレーキを戻しているはずなので、そこから慌てずにモーターを回せば良い事です。
送信機の機能として最近の物にはほとんど付いているエアブレーキ動作ですが、小型のグライダーの場合 指定点着陸やスロープエリアでの狭い着陸地点に誘導するのでなければどうしても無いといけないというものではありません。
また、エルロン両上げのエアブレーキは沈下率が大幅に上がりますので、平地のフライトでは着陸前には解除する癖をつけた方が良いです。
エルロンによるエアブレーキ動作中はエルロンがあまり効きませんので(といっても、エルロンを打てば打った内側のエルロンがさらに上がり外側のエルロンが少し下がりますので多少は左右に機首を振れます)エアブレーキスイッチでオンオフをするようプログラムミキシングを設定し、エルロンからラダーでミキシングをかけておきます。
グライダーだけのちょっと特殊?な送信機の設定ですので、グライダー競技のベテランの方のHP等を参照されるか、実際に競技レベルでグライダーを飛ばされている方に教わられるのが早道かと思います。
2007/05/13(初稿)
Koubou Sirokuma