工房しろくま
小型電動飛行機の部屋
EPP無尾翼モーターグライダー (オリジナル)
モーター:GWS EDF40
バッテリー:E-Tec Li-Po 700mah2cell
受信機:GWS PICO4ch
サーボ:GWS PICO-STD*2
翼長:600ミリ
重量:150グラム
EPPを使った無尾翼機です。クリックでクラークYにエレボンを使って高性能だったのですが、Sキャンバーの物が作りたくなり、WINGPROの翼型データを自分でいろいろ入力している間にクラークYを80%位薄翼にし、後縁側を跳ね上げたものができました。MH60等の方が良いと後で知ったのですが、どんなものか実験の意味もありこれを使ってみました。
JWというEPPスロープ機に似た感じで作ってみました。(似てませんけど)(あー垂直の位置が違う・・ と今気づいた)矩形翼か後退翼かと言われればわずかに後退と言えますが、ほとんど後退角は付けていません。
当初発泡スチロールで翼の切り出しをしていたのですが、久しぶりのカットで脳みそ制御の手動カッターがうまく動かず、手持ちのEPP板で試しにカットしたところ温度が高いため溶けたひげがいっぱいできましたが案外素直にカットできました。EPPの方が熱で収縮しにくい分失敗しにくいのかもしれません。
EPP製となった本家のクリックに習い、翼上面と下面には2ミリのカーボンシャフトを補強で埋め込んでいます。接着は3Mのプラスチック用を使いましたがあっという間に着いてしまうため、カーボン埋め込みなどは埋め込んだ後で瞬間を流す方が良いみたいです。
尾翼はブロックから5ミリ厚のスライスをしてみました。ひげの除去が面倒な事を除けば、カットは容易です。
#100のサンドペーパーなら表面仕上げに使えます。
カバーリングは堰合さんの掲示板でイージーカバ E−ライトが良いと聞き当初尾翼を赤のE−ライトで貼ってみたのですが、これがほとんど着きませんでした。クリアタイプとは違うものなのかもしれません。
尾翼はオラライトで貼り直しました。下処理は何もしていませんが今のところ張り付いています。E−ライトを貼るときに高温で押さえていたためEPPの表面が海老煎餅?の様になっていたため張り付きが良かったのかもしれません。知人は3Mの77を吹いてオラカバを貼って何も問題ないと言っていますので、吹いた方が良いかもしれません。
主翼と胴体はトイファクトリーのフェザーコートです。これは堰合さんの掲示板にあったように何もしなくてもごく当たり前に貼れます。
フェザーコートに色つけをしてから貼ったりフェザーコートを貼った上からアクセントに他のフィルムを貼るのが良いのかもしれません。
胴体は40ミリ厚のEPP板からそのまま作りました。胴体内部にメカ室を作り主翼を取り外しにしようかとも思いましたが、胴体下部にハッチを作りテープ止めにしてあります。
バッテリーは機首に溝を作り押し込んでいるだけです。クリックの様なアクロ?はしないと想定していますのでこれで十分でしょう。
EDF40ユニットは5ミリEPP板で台座を作り主翼に接着しています。アップスラストになっていますが、主翼下面と平行かややダウンの方が癖が無いような感じでした。もうちょっと前に搭載するなら今のラインで良いのかもしれません。
肝心の重心位置は5グラムのバラストを追加し、平均翼弦で上面のカーボン補強よりちょっと前の位置で設定していました。
室内の手投げテストではちょっと頭上げかな?でしたが、テストフライトではピッチ軸の安定が無いに等しく(操縦忙しかったです)現場で10グラム追加し平均翼弦の前縁から20%位の位置にしています。
わずかですが安定性は格段に違いました。
KANAMEさんと「とりあえず重心位置前にしとけば大丈夫でしょう」と話していたのですが、そうでした。
フライト
スズキのスカイウェイブ650に入ります
仕事の合間にスクーターに忍ばせて河原でテストしました。手投げで安定していても推力が加わりエレベーター操作が入るととんでもなく暴れていましたが、バラスト追加で大人しくなりました。
ダクトのスラストラインが合って無いようで、パワーいれると頭下げますがこれは手で押さえられる範囲でしょう。ダクトの角度は直した方が良いかもしれません。
クリックと違い、胴体は付いてるし後退角はほとんど無いし・・・ でしたが調整がとれると嘘のように安定しています。上半角は翼下面で0度ですが、高い垂直安定板の効果でロール軸は非常に穏やかです。ピッチ軸はまだ癖がありますけど非常にゆったりと飛びます。クリックと違い胴体の抵抗があるだけ速度にはのりにくいのかもしれません。
EDF40ユニットはEDF50よりも推力があるように感じました。巡航は50%出力で楽々こなします。ダクトを止めて滑空?と思ってましたがそれほど抵抗になる様子もありません。EDF50ユニットに比べ、インテークのリップがあるぶんアウターが歪み難く安定した音が出ます。
クリックやこのサイズの無尾翼機に載せて好調な機体が多いですが、なかなか良いユニットに感じました。
速度はクリックよりもっとふわふわした感じです。翼型のためかロールで背面になったときはちょっと苦しい感じです。通常のクラークYや対称翼でエレボンで疑似Sキャンバーにする方が曲技性能は良いでしょう。
ずんぐりむっくりな感じですがサーマルにもけっこう乗ってくれます。ピッチ軸以外は安定も良く、風の影響もあまり受けません。無尾翼良いなと感じます。
テストフライト中ずっとツバメが追いかけて遊んでました。
上に上がると灰色の「く」の字になってしまうクリックと違い胴体があるぶん姿勢は把握しやすいです。なかなか良い感じに仕上がりました。
(1日2時間くらいの作業の4日で作ったとは思えない・・)
WINGPROで試しに作った翼型と後退角無しの無尾翼という事でしたが、案外良く飛んでます。
実は非常に狭い場所でスロープを遊ぼうという事になり、着陸でぶつかっても気にならない機体という事で製作しました。
飛行を見た外野から「秋水作って!」とか聞こえてきますが、EPPモナカでそういう細工も面白いかもしれません。
海外にEPPスロープ機が多いはずですね。
もうちょっと翼伸ばして無動力で飛ばしたらもっと面白いかもしれません。
2004/08/02