工房しろくま


小型電動飛行機の部屋



ジャンピングジャック  Fliton

モーター:Hacker B20-15L + GWS 400クラスギヤダウンユニット 3.90:1
コントローラー:Jeti ADVANCE 18-3p リチウム対応版
プロペラ:GWS1060DD (10*6)
バッテリー:サンダーパワー Li-Po 2100mah3cell
受信機:Berg 5ch
サーボ:WAYPOINT 060*2 (エルロン) 084*2
重量:650グラム


QUIET FLYER誌に掲載されていた韓国のFLITON社のジャンピングジャックです。OKのセダクションシリーズにも似た好みのデザインでもあり、入手できないかと探していたところ、エアクラフトさんのページに掲載があり、早速注文しました。
デモフライトのビデオは操縦者の方も凄いのですが、400クラス電動アクロ機の範疇を超えた凄いものでした。(私にはあんな事できません)
モーターの選択などもいろいろあるようでしたが、手持ちのモーターの中からHacker の B-20-15Lと18Lを選びテストしたところ、手持ちのギヤダウンユニットで15Lが良好なデータ(ちょっと消費電流多め)でしたのでこれに決めました。

キットは日本の田宮並に良くできた説明書が付属しており、ロットによる誤差をがまんすれば、非常に完成度の高いキットです。
中国製も(というより今は世界の大半のARF機は中国製ですけど)悪くはありませんが、韓国製で非常に良くできたセットです。
(これでレーザーカットのキットがあると個人的にはもっと嬉しいのですけど)
色は透明とクリア赤がありましたが、視認性を重視し赤にしています。

パーツの組み立て精度は悪くなく(多少の修正は必要です)あっさりと組み上がります。
胴体上部は透明樹脂成形です。説明書にはプラカラーかポリカーボネード用スプレーを使いなさいとありますが、ここは素直に田宮のポリかカラースプレーを使うのが無難でしょう。(プラカラーでは密着しない事があります)(私はこれでちと失敗)
主翼中央部はキットに部品は入っていませんが、1ミリか1.5ミリの航空ベニヤでスパー材を両側から挟み補強にします。
キットにはB20シリーズの遊星ギヤ付きに対応したモータマウントも入っていますが、GWSの安価で確実なギヤダウンユニットが標準で使えます。

このモーターマウントはバルサ角棒ですが、手元にあれば10*10のヒノキに交換しても良いでしょう。私はK&Sのカーボンシートを貼り、2ミリカーボンロッドでステーを作りました。(純正ではちょっと強度不足に感じます)
画像では少しわかりにくいのですが、GWSのギヤボックスにB20モーターを付ける場合、取り付け部分が少し弱くモーターによってはメインシャフトとモーターの平行度が損なわれる場合がありますので、汎用のモーター取り付け用FRPプレートをギヤボックスの内径に合わせて加工し接着しています。
ヒートシンク外周部でも保持はするのですが、高い減速比で大径ペラを回す場合には補強した方が良いでしょう。
ギヤボックス差し込み部もちょっと隙間がありましたので補正、2ミリビスを貫通させて固定します。
モーターの取り付けには2.5ミリビスを使います。


テストフライトでメインギヤが曲がってしまい、2ミリピアノ線で作り直しました。タイヤは飛行場所の草が深いためオフ仕様?の60ミリナロータイヤです。
OKの電動用でも良いですし、使ったのはエアクラフトから出ているOKのに似た5本スポーク(メッキ)のスポンジタイヤです。
穴径が2ミリには合いませんので、3ミリに拡大し内径2ミリ外径3ミリの真鍮パイプを埋め込んでいます。
バッテリーハッチは後部をセロテープで止め、前側を3ミリビスで固定出来るように受けを作りました。ハッチの前から2列目の円穴のフィルムを開け、0.5ミリのバルサを巻いて作った筒を斜めに接着し負圧ダクトとして使います。

リンケージはキットに付いているロッドでも良いのですが、ちょっと弱い感じもしますので、テトラの0.8ミリピアノ線のアジャスターに0.8ミリ金属ピンの頭を付けています。ラダーのリンケージはちょっと長めですのでもう少し強い方が正確に動くと思います。



バッテリーはサンダーパワーの2100の3セルを使い、3.9:1のギヤダウンで10*6DDペラを回し、ピークで15Aちょっと超える位でした。
GWSの1047ペラは静止推力優先の設計のため、この組み合わせで回すと負荷が多すぎ過電流となります。幅広スローフライ用ペラを使う場合には表示値のピッチだけで比較することはできません。
コントローラーは標準進角、スティック位置ほぼ50%でホバリングできる推力がありますが、エンコンスティック中央でホバリングはあまり好みではありませんので、送信機側の設定で70%程度の位置で釣り合う位に設定しています。
また最大パワーですとちょっと電流値多めかな?ですので、スロットルのATVでハイ側をちょっとカットしています。



フライト
土曜日の午前中に時間が空き、早速河川敷でテストしました。
バッテリーは自宅で充電。外気温14度程度ですのでリチウムにきつい温度ではありません。
現場で舵角をチェックしていたところ、主翼の捻れ(工場の時点で)を発見しましたが、おそるおそるテストフライト。
当初スパッツを付け純正タイヤを使っていたのですが、足がやたらと草に引っかかります。テスト中にスパッツを破損したためタイヤのみで離陸。
主翼の捻れ程度にエルロンのトリムはずれていましたが、楽に補正できる程度。キット標準値より少し後ろ目の重心だったため、エレベーターが少し敏感(ニュートラル付近)でしたが、場周飛行の間に機体は落ち着いてきました。

静止推力は機体重量を遙かに超えているため、真上に向けても延々と昇っていきます。前面抵抗が大きいためか上昇も速度はあがりませんが、下に向いても速度が上がりすぎません。まるで重力が減ったかのごとく上へ下へと自由に動きます。

3Dアクロ用舵角で飛ばしてみても、変な失速癖は全くありません。きつめの引き起こしでも転けそうになる気配もなく、スピンからの抜けやトルクロールからの抜けでも変な癖が全く無く、即座にリカバリーできます。

ゆっくりとした進入から、線を引いていくように巨大なループも可能ですし、スクエアループ(形はともかく・・)も楽勝。垂直に立てても素直に反応しますし、トルクロールに入っても極端な舵角無しで素直に反応します。(私の技量ではぐるぐるとは回りません)

30や50クラスの素直な部類の板ファンフライでも急激な動きでは変な転け方をするのですが、これが全くありません。
90クラスのスタント機の様に、ゆっくりと正確に飛びます。これはちょっと嬉しいです。
背面でも正面でもエレベーター補正は少しで良いですし、ナイフエッジでの浮きも相当に余裕あります。

これで腕さえあれば・・・

演技はほとんどハーフスロットルでした。着陸後のモーター発熱は皆無。バッテリーも問題無しでした。
ファンフライというより、ファンフライ並の失速特性を持ったアクロ機という感じです。
ちょっとがんばって綺麗にとばしたろ・・・と思わせる機体です。最高!



テストフライト後、脚をピアノ線に直し、リンケージロッドを強度の在る物に交換しました。
もうちょっと機首にバラスト積んでもうちょっとアップトリムで飛ばした方がナイフエッジでのダウン癖が減るかなという感じです。

OKの10クラスアクロ機にこのユニットを使うのも面白いかもしれませんね。大きなペラが当たらない様な工夫ができると可能性あります。

キットがあればオラライトの黄色で貼って、OKのカサブランカ風・・・・ も良いかも。



2004/03/27


1997-2004 p-bear@ba2.so-net.ne.jp