工房しろくま


小型電動飛行機の部屋



Nano Bandit

ダクト:GWS EDF40
モーター:Feigao 12ミリモーター Kv 5300タイプ
バッテリー:Thunderpower 730mah 3cell GEN2
受信機:GWS PICO 4ch(40Mhz) > Berg 4 Stamp (72Mhz)
サーボ:OK S608 *2
重量:132グラム


佐々木さんの紹介で見たRCgroups に掲載されている機体です。RCターボジェット機の El Bandit のスケール機?
折り紙の様な非常に簡素な機体ですが、ビデオを見るとKv6000のモーターですっ飛んでいます。
機体の型紙が製作者によってRCGroupsでPDFファイルで公開されていますので、これをダウンロードしA4用紙に分割して印刷し簡単に作れます。
私は東急ハンズで買ってきた3ミリのスチレンペーパーで作りましたが、1枚で楽々材料は取れます。
スチレンペーパーにも紙と同じように目があるようで(気のせい?)曲がりやすい方向がありますが、一応この方向を意識して部品取りをしました。
RCGroups NanoBanditのスレッド
http://www.rcgroups.com/forums/showthread.php?t=286510&highlight=feigao+edf
全部英語ですが、一生懸命読んで行くと図面をPDFで配布するリンクがあります。
F5やらF100やらいろいろ他にもあるようです。小さな機体ですのでオリジナルも面白そうですね。

モーターは入手できるようになったのですが(次回からKv5800タイプもたくさん入るようです)
> Feigaoモーターはここへ聞いてみて下さい RC119 
福岡のエアクラフトさんでも取り扱いを始めた様です。
アメリカで出ているKv6000とFeigaoのデータシートにあるKv5800が同じ物かどうかはまだ不明です。

肝心のEDF40がなかなか入手できません。11月下旬?には入るという話もありますが、私は以前作ったEPP無尾翼機から外して使いました。
(グライダーにはダクトではなく普通のペラの方が良いので・・ スロープでの補助動力ですから)アメリカの通販店で日本にも送ってくれる所へ頼んだ方が早いかもしれません。



PDFファイルをA4用紙に印刷し、トンボ印を目安に型紙をつないでいきます。
大まかな線を型紙の上からピンで刺して行ったりボールペンでなぞってスチレンペーパーに写していきます。
良く切れるカッターでカット(テレビ見ながらでできます)したら作業終了。
エレベーター部分を切り取り(大きさは画像や本家のスレッドを参照して下さい)スコッチのプラスチック用接着剤で90度で貼っていけばあっという間に形になります。(この時点では胴体上部と機首上部は貼りません)
ダクトの先端が主翼後縁よりちょっと前位の位置になるように接着します。ダクトのインテークのラッパ部分が胴体と干渉しますので上下をカットする必要があります。(カットしなくて良いくらいのサイズに拡大して作った方が楽かも)

ダクトの後部ガイドはインクジェット用OHPシート(ケント紙でも良いです)を両面テープとヒンジテープで貼り作ります。(A4スカイホークでは瞬間でしたが、両面で良いでしょう)

サーボは水平尾翼前縁から前に付けます。ダクトの後部ガイドと干渉しますので、胴体底とサーボが平面になる位置に接着します。サーボはOKのマイクロサーボでないと幅が苦しいです。(拡大版ならGWSピコで問題ないでしょう)

エレベーターはヒンジ側の下面を45度にカットします。

ダクト出口はオリジナルはバルサ板でしたが、私は残りの3ミリスチレンペーパーを使いました。後部胴枠ともなりますが、この真ん中に径35ミリの穴をあけ排気口にします。(絞らなくて良いと思いますがちょっと絞ってみました)
後部ダクトは絞ることで流速が上がりますが、絞らなくても気流を安定させダクト後部から出た気流が外側に広がりにくくなる効果があるようです)

ダクトは私の機体の場合、ダクト底部に1ミリバルサをスペーサーとして貼り、ダクト両脇に3ミリ角バルサを貼って取り付け部分としました。(底部だけの固定では推力が出た時にケースが変形します。必ず2点以上で固定したほうが良いです)
この底と両脇で胴体に接着します。

ダクトのインペラは元のモーターシャフトに付いていた場合には、慎重に真っ直ぐ抜きます。モーターを抜き変え差し込む時には瞬間か高強度のロックタイトを併用しておかないと回転中に抜けてしまいます。

ダクトの隅っこからサーボのリードとモーターからのケーブル(ダクト組み込み前にアンプと接続し回転方向を確認しておきます)を通し、機首部側板の後ろ(後部の接着面に3ミリスチレンペーパーを挟んで広げておくと良いです)から通しておきます。

この後、胴体上面をダクトケース上部にも接着剤を塗って貼ります。機首上面はメカハッチ?より前は接着して良いですが、後ろはフィルム貼り後の方が良いでしょう。

フィルム貼りをし(オラライトを使いました。OKのイージーカバーEライトの赤があったのですが、何故かスチレンペーパーには接着力が低かったです。)垂直尾翼を付けます。

キャノピーは手持ちのEPPブロックから作りました。窓枠部分で分割し、前側をハッチに貼ります。ハッチ前端をテープで固定し、後ろはキャノピー後部から爪楊枝で串刺しにして固定です。

エレベーターホーンは例によって1ミリ航空ベニヤ。エレベーターをヒンジテープで貼った後から溝を切ってホーンを接着。
リンケージは0.8ミリピアノ線で途中は被覆を剥がしたポリウレタン線(被覆なければ銅線ですけど)巻いてハンダ付けです。ロッドストッパーはトラブルの元になります。ハンダが簡単。

送信機側でエレボン設定をし、エレベーター舵角は普通?エルロン舵角はちょっと多め(エレベーター舵面でエルロン動作をさせるときはかなり大きな舵角が必要です。30度位)エキスポ適当で設定します。

板翼ですので、エレベーター中立で少しアップになるようにしておきます。
重心位置は主翼根元で前縁から50ミリという事の様です。サンダーパワーの730mah3セルで丁度合いました。

吸気口まわりはドライバーのシャフトなどでしごいて丸みを付けておきます。

毎晩食後にゆっくりやっても4日でできるでしょう。





テストフライト
知人の模型店がFeigaoから取り寄せたモーターの中にあった有料サンプルのKv5300タイプのモーターです。
リポ3セルのフルパワーで5Aちょっと流れます。
秤に機首を載せての推力測定では120グラム位出ていました。機体が132グラムですから十分と思います。

穏やかな河川敷でテストフライトをしました。中速で手投げをしましたが、エレベーターの初期設定(後縁で2ミリ上げ)でややアップトリムかなという感じで真っ直ぐ上昇していきます。エルロン動作も問題無いようでした。
意外にゆったり安定して飛んでいきます。そろそろ全開に・・・・ と思った頃に 急激なパワーダウンと共に機体が暴れ始め、草むらの中へ落ちて行きました。完璧なノーコンでした。
回収に歩いている最中にもサーボが誤動作していました。
手持ちの受信機を使ったのですが、この機体の組み合わせでは相性が悪かった様です。
機体は小破でした。

帰り道にBergの4ch受信機を買って帰り、胴体上部の接着面にカッターを入れて切開し、受信機を交換しました。
墜落で皺の寄った主翼はアイロンで復活。

機体が素直に飛ぶことがわかりましたので、1回目のテストは良しとします。
簡単に作った機体は落ちない、落ちてもすぐ直る・・ になりそうです。

思いっきりデフォルメしたF15とかもありましたが、面白そうですね。
これだけ簡単に作れる機体が内装ダクトで快音を出して飛ぶのは面白いジャンルだと思います。

2004/11/05


テストフライト2
受信機をBergの4chに交換しました。バッテリーハッチ?の前端にサーボのパッケージのプラ板で爪を作りテープ止めから変更です。
今日は通常のメンバーが河川敷で飛ばしています。
やや風がありましたが昨日のテストで普通に飛ぶことがわかりましたので60%位のパワーで手投げ。助走も要らずポイで良い様です。
EDF機の手投げで、何故かリリース時に機首が上を向いたりリリースする瞬間に力を入れて姿勢を乱すケースが多いですが(これは別に機体の静止推力が足らないとかリポを使ってないからという事ではありません)(京商F16は通常のバッテリーで機首を上げないように力一杯投げれば、降下中に速度を増してやがて上昇します。ここで速度が上がっていないのに無理にアップ引けば当然落ちます。ノーマルが飛ばないのじゃなくて操縦の問題です)(閑話休題)(一番悪いのはよたよた助走してリリース時に機首上げの姿勢で放り投げる場合です いきなり失速状態で放り出されても飛べません)(閑話休題2)この機体は手投げは楽です。

受信機交換でノイズのトラブルは解消したようです。スロットルにすこしディレイを入れて急激な回転上昇を少し抑えています。トリムもほぼ合ったようで快音で飛び回ってくれました。推力は十分ありますのでループは楽勝です。ただしロールはいけません。F16等のスパンの短い機体ならエレベーターでエルロン動作をさせても問題はありませんが、NanoBanditの場合は翼が少し後退した通常の形をしています。90度バンクまでは自然に舵が入りますので通常のタイトな旋回では問題ありませんがそれ以後は大きめの垂直尾翼の影響もありロール速度が極端に落ちます。ロール軸の自立安定はかなり良い機体なので普通に飛ばすには良いのですが、ロールだけは注意したほうが良いです。
1フライトさせて着陸させ、エルロンの舵角を増やしてみましたが、小さな舵面で大きな角度を付けるため抵抗の方が大きく、2フライト目でロール後半で抜けられずに落ちてしまいました。アァァァ・・・

ちなみに着陸はちょっとパワー入れた状態で誘導し、最後にフレアかければ普通に降ります。パワー入れた方が良いようですね。

あぁぁ・・・と失意の内に回収し、帰宅後30分の修理で復活しました。
オラライトを貼ったスチレンペーパーは滅多なことでは割れず、接着面で綺麗に剥がれてました。皺が寄ってもアイロン当てて復活します。

速度もけっこう出ます(見かけでは)痛快なフライトが簡単に楽しめるという意味では面白い機体です。ただし・・ロールは安全高度を思いっきり取った方がいいです。(しない方がいいかも)

2004/11/06


完成から即テスト飛行して2日連続で中破させてしまいましたが・・・・
ロールしようと思わなければ安定性も普通ですし、板翼機ですから、ちょっと重心前目(前縁から50ミリより後になるとちょっときついかも)のエレベーターちょっとアップの設定でやや頭上げ(抗力増えますけど板翼は仕方ないです)で飛びます。ノーズモーメントの長いジェット機にありがちな変なピッチングもありません。
目の前をびゅんびゅん飛び回らせるには飛ばしやすく楽しい機体に思えます。
私はFeigaoのKv5300を使いましたが5800だともっと面白いかもしれませんが、5300で十分な気もします。

本体は3ミリのスチレンペーパーですが、折り曲げの目は意識して部品取りしたほうが良いでしょう。スチレンの生地のままカーボン補強でも大丈夫とは思いますが、オラライトなどのフィルムを貼ってやると主翼の剛性は格段に上がります。後退角けっこうありますから捻れ剛性は上げて置いた方が良いでしょう。
RCGroupsであった突然のスパイラルというのも飛行中に主翼が捻れてしまう事が原因じゃないかなと思います。(わかりませんけど)
比較的低速で飛び剛性の確保しやすい矩形かテーパー翼の板翼ファンフライと違い、後退角が強く飛行速度も速い機体では捻れやすいかもしれません。むしろ現代のジェット戦闘機の様な台形に近い形状の翼の方が捻れにくでしょう。
こういう翼の機体でエルロン付けて、水平尾翼はフライングテールにしてしまうのも面白そうです。

2004/11/07