工房しろくま


小型電動飛行機の部屋



零戦二一型 (ラトルスネイク)

モーター:CD−ROM 0.32*20ターン スター結線
コントローラー:キャッスルクリエーション フェニックス10
プロペラ:GWS5030
バッテリー:E-Tec LiPo 700mah 2cell 7.4v
受信機:シュルツ アルファ440
サーボ:GWS PICO-BB *2
重量:140グラム
スケール: 1:24


 軽量紙粘土の操縦士
 モーターマウント
 
ラトルスネイク大植さん設計の零戦二一型です。
以前製作したエアリカ時代の五二型がけっこう気に入っていたのですが、あれから数年経過しモーターやバッテリーの環境も進歩しました。
ラトルスネイクとして再出発され二一型が新スペックで登場と聞き、楽しみにしていた機体です。


スケールは同じ1/24。主翼の構造が変更され、翼端ブロックでねじり下げ効果を与えていたものが主翼そのものにかなり強めのねじり下げが付く構造に変わりました。
上面前縁のプランク時にねじり下げが固定される組み方なのですが、私は少し失敗してしまい定盤の上で霧を吹いて一昼夜寝かせごまかし?ました。
(フィルム貼りの時点でさらに修正しています)
胴体は従来の1.5ミリプランクが結構技術を要する?箇所だったのですが、今回はプランク材が1ミリに変わっています。私は胴枠ごとにブロックで分けて貼って行きました。(左右交互に作業を進める方が胴体が捻れにくいような気がします)
従来も1.5ミリでプランクし研磨して落として行く必要があったのですが、1ミリに変わった事でこのあたりは少し作業が楽です。
尾翼まわりの構成も多少変更になっています。

主翼前縁とカウルの隙間が妙に気になっていたのですが・・・ 実機の資料をあれこれ見ていると二一型はこれで正解の様です。
主翼がピンと張った二一型のシルエットもなかなかまとまっています。

被覆はトイファクトリーの軽量フィルムです。多分製本用フィルムですので、アサミさんのミラクルフィルムやOKの軽量フィルムと同じ扱いで良いようです。
(透明なので色つけまで細部のアラが見えませんでした・・ 吹き終わって間違いに気づいております)
私はオイルクーラーをカウリングに接着してますが、胴体側の方が正解の様です。

動力はユニオン発泡零戦の50XCに4025ペラという組み合わせがベストであろうと思いますが、リチウムポリマーバッテリーを使おうと思うと、E-Tecの250mahセルではちょっと消費電流が厳しいかな?という気もします。(大植さんからはこの組み合わせで良く飛んだと教えて頂きました)
この組み合わせで行こうかな・・・と思っていた頃にあちこちのHPでCD−ROMモーターの話を頻繁に見かけるようになり、9極のコイルが星形空冷シリンダーに見えるようになってしまい、モーターを加工して準備しました。
「とりさんの独りごと」で配布された自作モーター素材のデザインが気に入り、似たようなラジアルマウント形式の物を作ってみました。
この機体で2ミリのタッピングビス3本で止める必要は無かったような気がしますが・・ 見た目です。はい。

このモーターと700mah2セルのリチウムポリマーバッテリーで使えそうなめどがたち、重くなりついでにパイロットもKANAMEさんのHPで教えていただいた「ふわふわかるーん」(児童工作用軽量ねんど)をお店で見つけたので、苦手な人形も載せました。
(これが苦手ですので・・私の機体は操縦者が必要な場合は動物縫いぐるみなのでございます)
スケールで言えば頭大きいんじゃないの?ですけど、状態の良い21型が戦後に発見され、レストアされて機銃などは外されて現在も飛んでいたらこうだろうという好き勝手な設定ですので、これでよいのだす。
風防前のボンネット部の曲線も、二一型と五二型では違う様ですが・・・ フィルム貼ってしまってから気が付きました。

バッテリーがリチウムポリマーになり、受信機がノイズに強いアルファ440になり、全フィルム貼りになり、エレベーターロッドがカーボンになり、メカ載せ前に秤に乗せて140グラム位です。(うちの秤ではだいたいしか量れません)
心配だった重心位置はなんとか合ってくれそうな雰囲気ではあります。
モーター自体はヒートシンク付き50XCよりはるかに軽いのですが、ブラシレスコントローラーが少し重め。Hacker-Jetiに4Aタイプがあるようですが、普段の入手ルートでは手に入らず、オートカット電圧設定を優先し、キャッスルクリエーションのフェニックス10を使います。

飛ぶのかな・・・  ちと心配。
パワーは50XCよりあるし、重量はユニオン発泡零戦より軽いし・・ 大丈夫 たぶん・・。
キットもう一機確保したし・・ だめだったら素直に50XC積んで遊びます。

まだ弱気 でも「どうかな?だいじょうぶじゃろか?」のテストが面白いかもしれません。

2003/09/29



ラインは極細油性マジックで簡単に済ませます。主翼から後部の胴体のラインは大植さんの設計ならではです。


暗くてわかりませんが・・・ エレベーターロッドは1ミリカーボンロッドの先端に0.8ミリのピアノ線を木綿糸で縛って加工しています。サーボ側はテトラのロッドストッパーSSを使います。ロッドのアウターパイプはK&Sの小型機用を流用しました。(出口だけあればいいかもしれません)


スピンナーはGWSのゴム製を流用するのが簡単でしたが、この様な構造の物を試しに作ってみました。
アルミ丸棒から怪しい形の雄型を作り、0.5の塩ビ板をコンロの遠火であぶり型に押さえつけます。根本を輪ゴムで縛り上げたらドライヤーの温風で暖めながらペンチで引っ張り皺を引き延ばしていきます。(手が熱いです、力入れますので指も痛いです。半日かかりました)
これでも裾のあたりに皺が寄ってますが、「雌型作って押さえつければいいのに」という家内の言葉に「そうね・・・でも面倒」とうなずきつつ、皺の部分はペラの切り欠きに回してごまかします。(ごまかしが多いです)
それでも消えない皺は内側から瞬間を盛っておき、研磨してごまかします。
バックプレートはアルミの削り出し、割り出しができれば軽量化穴も加工できますが外径20ミリも無いので・・・そのまま。
先端から2ミリの六角ビスで締めて固定します。
スピンナー単体で2グラム。ペットボトル素材で作ってみるのも面白いかもしれません。
いずれにせよ薄い軽量な材料で作れば重量バランスもそれほど狂いませんし回転中の遠心力にも強くなります。

振れ無しできれいに回ってくれました。(後は機体の設計を頑張れば飛燕や雷電も不可能ではないのですけど・・)



機体は135グラムで仕上がりましたが、700のバッテリーをボンネット部に載せたため重心が少しずれました。
カウリングの内側にバラストを乗せて138グラムで「大丈夫じゃろ?」の位置にはなりましたが、140グラム目安ですので、もう2グラムほど追加します。

250のバッテリーをカウリングの内側に両面テープで固定する(3セルも可能ですね)と冷えますし重心位置も楽に合うと思います。
モーターの消費電流次第ですけど。

コントローラーは当初キャッスルクリエーションのフェニックス10を使っていましたが、「とりさんの独りごと」でバージョン変更の話を聞き、エアクラフトさんに問い合わせたところ「多分新しい方」のコントローラーが届き交換してテストしました。
結果・・・ 4040でも5030でも何も無かったかの様にプーンと回ります。

正確なテストはまだですが(フライトテストが先)旧バージョンより消費電流が下がっているような気がします。

推力はフルパワーで上に向けて持っておくと空中静止しそうな感じで手の中でロールします。
110グラムと言われるオリジナル(50XC+4025ペラ+リポ250の2セル)には及びませんが、52型のイメージから飛びそうな『予感』です。
アンテナ線は恒例の虫ピンフックを垂直尾翼に刺し、犬の毛のラッピング用の小さなウレタン輪ゴムでアンテナ線を止めます。

と・・・ 墜ちない間に一安心して喜んでいます。

2003/10/03


テストフライト
無謀にも完成してすぐに・・ 飛ばしに行ってしまいました。尾翼のナンバーもまだ貼ってません。
珍しく午前中に河川敷に行ったのですが、知人が2名ほど飛ばしているだけ。先日まで草ぼうぼうだった広場はきれいに刈り取られ、機体が暴れても茂みに墜ちれば大丈夫という目論見も崩れ去ります。

しばらく会わない間に随分上達した知人のフレイヤ90を見学し、主翼を外しバッテリー接続。
主翼のねじり下げのずれ・・(製作ミス)はわかっていましたので、膝をついた位の高さからパワー50%位で軽く手投げ。予想通りエルロンのトリム補正は必要でしたがエレベーターはそれほど問題無いようです。
適当に合わせたエレベーター舵角をちょっと少なめに変更し、正規の手投げ。
ユニオン零戦と同じ様な手投げですが、手を離れた機体はそのままぐんぐん加速していきます。
失速癖もわからないので高度を取りながらトリムを合わせます。大まかな調整が終わった頃にはモーターの音もペラの音もほとんど無いまま凄まじいパワーですっ飛んでまいります。(スティックを操作する指が震える震える)
エアリカ時代の21型(エンジンバージョン)を飛ばした友人がパイロン機みたいに飛ぶよと言っていたのですが、まさしくそのまま。
この変な?モーター、私の仕様でもPW02並のパワーはあるようです。
03スペックのねじり下げで旋回も余裕があると大植さんに教えてもらったのですが、かなり深いバンクでも姿勢は乱れません。
52型は大きなペラで力強くどっしり飛んでいたのですが、これは70アクロ機並にパワフルです。
重心位置がほんの少し後ろで心配していたのですが、問題は無いようで水平からのループも楽勝でした。
軽量で剛性のあるバルサ組の機体は操舵のレスポンスが非常に良好で、このクラスの発泡機の様なふらつきは皆無です。
すっ飛んで行きます。
風が回っていたようでしたが、結局タッチダウン前に風向きが変わり、やや追い風で高速アプローチから引き起こして接地。
無事回収でしたが、わずか2分半のフライトで背中が割れるように痛み、膝はがくがくでした。

凄まじい飛びでした。この機体にはちょっとオーバーパワーかもしれません。ほとんどハーフスロットルでした。
が・・一度慣れるとフルパワーですっ飛んで行くのが気持ちよいです。リアルなシルエットも文句無しでございます。

大成功でしたが、ヒロボーエクストラ50に70サーパスを乗せたアクロお遊び機よりはるかに神経は使いました。
ちょっと重いかなという予測は風に強いという結果も生んだ様です。

帰宅後にモーターの測定を行いました。
モーター:0.32ポリウレタン線 20ターン スター結線
コントローラー:フェニックス10(新バージョン)
バッテリー:E-Tec LiPo 700mah 2cell
プロペラ:GWS 5030

フルパワー時 2.88A @ 7.2V > 12200rpm

ターン数を25-28位にするか巻き線を0.3以下の物を使うなどして、電流値を抑えて250mahのLiPo3セルで飛ばしてみるのも良いかもしれません。
この場合ならバッテリーをカウリングの内側に固定できますね。

2003/10/04



飛行映像

阿蘇農道飛行場でのフライト 2003/10/29 ウインドウズムービーファイル(2M位ですごめんなさい)
撮影:KANAMEさん 操縦:しろくま

風強かったです。飛ばす前までバッテリーを胸ポケットに入れて、機体に載せても太陽の光が当たるようにしてたんですが、手投げの頃にはけっこう冷えてました。パワーありません。ループしてません。場周のみですが、操縦する側にはパワーが穏やかで楽でした。(言い訳モード)

KANAMEさん製作のビデオカメラ用ダットサイトスコープの効果絶大!ずっと小さな機体を追って下さいました。
感謝







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