イカルス ECO PICCOLO
280クラス電動ヘリ シュワイザー300仕様
- ヒラー方式固定ピッチヘッド(疑似リジット)
- モーター マブチRC280
- 電源 250mah 7セル
四国の三木さんからこの機体の原型となったカーボン多用の超小型電動ヘリのHPを紹介して頂いたのがもう3年以上前の事になります。
月刊誌エレクトリックフライトなどにその後の改良版が時々紹介されたり、現在はさらに小型の物も開発されているようですが、イカルス社からエコピッコロとして日本国内でも容易に入手できるようになりました。
大概こういった海外の機体は補修パーツの入手が絶望的(直接メーカーにオーダーする場合をのぞいて)なのですが、高知の吉岡さんがメインのインポーターとして扱われ、東京のアサミさんが補修パーツをほぼ揃えておられます。現在はUHA味覚糖(あの甘露飴の)も輸入に参加しているようです。
機体のイメージとしてはコンバートEXよりは小さく、キーエンスのレボリューターよりは大きい室内機といった感じでしょうか。
テールパイプ、スキッドブレース、メインマスト、テールシャフトなどはカーボンです。ブレードはカーボンに見えますが堅めの樹脂でした。
メインローター上面の乱流を発生する波線が何か効果ありそうです。
硬質のエンジニアリングプラスチックとカーボンですので瞬間接着剤による作業は簡単です。特に力のかかる部分やサーボの取り付け(接着します)にはOKの瞬間接着剤の硬化促進剤を使って肉盛りしておきました。
正月に2日ほどかけて完成。 深夜の浮上テストが21世紀最初のフライトになりました。
組み立てで注意すべきポイント
- 瞬間接着剤で作業する箇所が多いので、必ずペーパーがけしアルコールなどで脱脂洗浄した後に接着。
- テール駆動モーター(夢のフーセンのモーターと一緒です)のピニオンギヤ接着は必ずシャフトを脱脂して接着剤を付けすぎない事。(はみ出たらモーターを交換しなければならなくなります)ちゃんと説明書通りにビニールをはさんでおきましょう。
- ギヤのかみ合わせはぜったいきつくならないように調整する。
- リンケージに使われているボールリンクは神経質なくらい慎重に軽く動く(ゆるゆる寸前でもいいです)まで納得のいく調整をする。(このサイズの電動ヘリでリンケージの渋さは致命的です)
- スタビライザーバーはスムーズに回るまでペーパーでバーをこすって調整する。
- スタビライザーブレードとコントロールアームは必ず一直線上になるようにする。(一番大事)
- メインブレード、テールブレード、スタビライザーブレードは縁をカッターの刃の付いて無い側でこそぎ落としたり目の細かいペーパーで磨いて角を良く落とす。
- メインブレードをヘッドに取り付けるネジは、ブレード回転面を横にしたときに、重力でブレードが下がる程度までしか締めない。(締めすぎるとドラッキングのずれを起こし間違いなく振動を招きます)(遠心力で真っ直ぐになるように)
といったあたりがポイントと思われます。部品点数はごくわずかですのでしっかり調整します。
フライト
セットには最初からシュルツの充電器に使えるアダプターがついていました。
電池の目覚ましも兼ねて2パックほどブレードを外した状態で空回しします。
送信機は双葉の1024ZをPPMモードで使いました。補助機能はいらないのでアタック4でも良いですが、サブトリムはあると便利です。
双葉の場合はアンプの動作が逆になりますので、エンコンをリバースに設定します。
バッテリーのコネクターをつないで、ピコボードの動作を示す赤い発光ダイオードが点灯したら発進準備完了。しゅるしゅるとローターを回し始めます。
ところが・・ いざ浮上させようとすると暴れます。不安がよぎりますがキーエンスのタンデムフライ以上に暴れます。
しゅるしゅるとしぼんでいく心を持ち直して、手で持ってエレベーター・エルロンのトリム調整。送信機のレボリューションミキシングをキャンセルするのを忘れていたので、これも変更。
今度は前ほど暴れなくなりましたが座りは全くありません。知り合いの方に高度を取ると安定すると聞いていましたので50センチくらいまで上昇。
地表効果から離れた機体は別人の様に目の前に滞空しています。
ブレードの風切り音はほとんどしません。ギヤの音がかすかにひびきます。良く空気をつかんでいる感じで回転も余り上がらないままホバリング。
テールの座りも良好でピルエットも問題ありません。非常に効率の良い浮き方をしています。
広い場所でのフライトでは正座した頭の上で8の字で遊べます。ヒラー方式のため細かい操舵の反応は良くありませんが、この方が飛ばしやすいでしょう。
尻尾の先にモーターがあることで慣性の影響を思っていましたが全く問題ありません。
まだ浮いてる・・という中で次第に高度が下がってきます。高度30センチ以下では自分の吹き下ろした風に翻弄されますので抑え込む様に操舵してやり接地。これだけ軽い感じで浮いてくれると嬉しくなります。(その後、低高度での操縦性は馴染んだせいか改善しています)
その後
メインマストのストッパーに使われているシリコンパイプがいつの間にか千切れて無くなっていました。マストベアリングと干渉する箇所なので内径3ミリのマストストッパーを作ってやりました。旋盤細工ですが、市販の3ミリのホイルストッパーでヒロボーの内径3ミリのベアリングシムを間に入れてやっても良いでしょう。
メインブレードを止めるビスは、長さ8ミリのシンヘッドビスに交換し、裏から2.6ミリのナイロンナットで固定しました。
スタビライザーブレードやコントロールアームは極少量瞬間を流して置いた方が良いかもしれません。
2001/01/11
ボディマウントのカーボンロッド左右前側に10ミリのカーボンロッドを先を半分ほど出して瞬間で接着。マウントの延長となり、ヒューズ300のボディに丁度良い長さになりました。
バッテリーはずっとニッケル水素だと思っていたのですが、キット標準は単4型250mahでした。まだ本調子では無いようで、通常の充電では170mah程度しか入りません。この状態で室内では3分ちょっとのフライトができます。
屋外(半地下の駐車場)でもテストしてみましたが、ある程度の風までなら十分制御出来るようです。テールも違和感無く反応しますが、このサイズでヒューズ300頭ですので、風には強いとは言えません。しかし無風の屋外で高度上げてみるのも楽しそうです。
たまにしか飛ばさないのですが、リンクがだいぶ慣れてきたのか、地表効果内の高度でもそれほど暴れなくなりました。機体が動き始める前に抑え込んでやる必要がありますが、これはこれで楽しめます。
こんな小さなヘリが、わずかなギヤ音をたてながら頭上を縦横無尽・・・。楽しいですよ。
2001/01/28
時代の趨勢を感じます。コンバートEXが雀ならピッコロは蛾?といった感じでしょうか。フライト時間も十分ですが風のある屋外で飛ばすとどこかに行ってしまいそうな雰囲気です。
まさかマブチのRC280で手のひらサイズの電動ヘリが飛ぶようになるとは思いませんでした。ピコボードという電気的なミキサーのおかげもありますが、ヘッドもここまで簡略化できるという発想の勝ちでしょう。
222のボディもあるようですね・・・
アイソニックのEH550や650も画期的でしたが、発想のすごさではピッコロの方が上かもしれません。コンバートEXが強大なパワーの重量機に見えます。
小学校の頃に見ていた手のひらサイズの電動ヘリという夢が一つの形になって現れました。
(c) p-bear@ba2.so-net.ne.jp