工房しろくま


グライダーの部屋



GLIC型DLGもどき 旋燕


翼長:760ミリ
重量:160グラム
受信機:Berg 4ch
サーボ:GWS PICO-STD*2
電源:160mahNi-Mh 4.8V


EPP無尾翼機をいろいろ製作していたころに、半自動カッターの調整で試しに作っていた発泡コアにバルサプランクを実験していた翼が手元にありました。
これをDLGで飛ばないかといろいろ海外サイトを見たり考えたりしていたのですが、難しそうでそのままにしていました。
可愛いAlulaが意外に素直にランチできる事に気をよくして、作ってみよ!の実験機です。



原型はCLICの翼長拡大版(通称GLIC)を一回り大きくし、後退角をちょっと減らしたものです。
CLICを当初翼厚を薄めにしたクラークYにエレボン跳ね上げで飛ばしていましたが、MH60に翼型を変更しています。へろへろ40(EDF40のデルタ)もこの方法です。
翼端のガイドプレートを気持ちねじり上げにしていますが、実際のフライトではもう少し角度付けても良い感じでした。

CLICの翼として普通の発泡コアを1ミリバルサプランク分薄く加工し、水性木工ボンドでプランクし、発泡コアの外側で挟んで重しを乗せて乾燥。ごく普通の方法です。
乾燥後前縁と後縁の接着面をサンディングして面を出し、前縁材後縁材をタイトボンドで接着しました。このタイトボンド、発泡スチロールとバルサの接着の相性が良く綺麗に研磨できます。
(こういう事をして1年ほど寝かせていました)

サーボの取り付け穴を加工し、翼を接合する前に、中央部からサーボ穴までサーボリードを通す穴を先端を一部切り欠いたアルミパイプをぐるぐる回しながら押し込んで加工します。サーボリードは主翼下面に出す形にしましたが、前縁側上面の方がこのような形状の胴体を付ける場合は後が楽なようです。
上反角を少しだけ付けています。小型の無尾翼機なので、主翼の接合はエポキシだけでマイクログラスなどの補強はしていません。(問題ありませんでした)

エレボンは3ミリバルサから削りだし、前側に3ミリ金属シャフト(30クラスのスタビバーでいいです)後側に1ミリピアノ線を置いてバルサかんなとアルミアングルに貼ったサンドペーパーで削って行きます。旧来の方法ですが、綺麗に仕上がります。

垂直尾翼は1.5ミリバルサを主に縦目で使い、前縁部分に10ミリ幅くらいに加工した横目の材料を接着し成型しています。

テールパイプは大分のスカイタウンのKANEKOさんに某所でもらったプチトレーナーのテールパイプの端材。ベストマッチでございます。

胴体と主翼を別々にオラライト貼りし、サーボリード穴へノイズレスパイプを通し、その中へ木綿糸を通していきます。糸が通ったらノイズレスパイプを抜き、糸の端っこにコードを延長したサーボリードをマスキングテープで貼り、糸を引っ張ればリードが通ります。発泡コアのリード穴がでこぼこのため、こうしないと通らなかったりします。

リードを通したら胴体との接合面のフィルムを切り取り、高粘度瞬間で胴体を接着し、隙間はマイクロバルーンを多めに混ぜたエポキシで埋めて行きます。

胴体が接着できたらサーボリードの先にコネクターを取り付けます。

もっと簡単な作業法もありますが、こういうやり方もあります。

テールパイプは主翼に溝を掘ってエポキシ接着。垂直はテールパイプへ瞬間で接着しマイクロバルーンを盛って補強。

当初受信機用電源にタイヨーのP38に使われていたニッケル水素を使おうと思っていましたが、容量が怪しいのでヨシオカのワンハンドレッド用160mahニッケル水素を使いました。

重心位置はセオリー通りの位置で初期設定し、あとは飛ばして調整。



テストフライト
梅雨前線の影響で雨が続いていましたが、晴れ間が見えて初期調整。風はけっこう吹いています。

前側だけ胴体がありますので、手投げは普通にできます。当初重心位置が前過ぎだったようで、無尾翼とは思えない縦安定でしたが、エレベーターの反応が悪く再調整。5グラムバラストを減らすとピッチ軸が過敏になり、5グラム重りを半分に切った物を入れてそこそこの状態になりました。

滑空は思ったより良いようです。ちょっと重めかなと思いましたが、なかなか良く伸びていきます。無尾翼やっぱり良いです。
画像の位置の翼端上下に#1000耐水ペーパーを両面テープで貼ってランチ用の滑り止めにしていましたが、重心がそこそこ合った状態で半周ランチをすると10M位までは上がっていきます。Alulaの様に嘘みたいにバシューンとは上がりません。やはり簡単にはいかないようです。翼端を持つ位置を前後したりしますが、なかなか安定しません。垂直尾翼の容量が不足しているのかな?とも思いましたが、投げ方が合うと普通に真っ直ぐ上がっていきますので、投げ方次第なのかもしれません。

AlulaはEPP製で、翼端を持っても相当にふにゃふにゃしています。これが逆に無理な力を入れない(入れられない)事に継がって無理に振り回さない事に継がっているのかもしれません。

けっこうな風が吹いており、スナッピーSALでもラディナDLGでも苦労する様な状況でしたが、運動性にも問題は無く飛び自体はけっこう面白そうでした。
コリブリVをDLGで飛ばしていた頃と同じ様な飛びがあります。このままスロープ持って行くと弱風でもそこそこ面白い機体になりそうな感じです。


2006/06/27


スロープで
しばらく仕事がばたばたしていたりで、平地DLG用に垂直尾翼拡大?など計画しておりましたが、そのままでした。
ある日、師匠から「風良さそうなので 山いかない?」のお誘いメールがあり、気になっていたスロープでテストしてみました。
当日は九州の豪雨の余波の強風。5Mから7M位コンスタントに吹き、たまに10M近く。
バラスト追加したラディナDXは元気に飛びますが、この機体は投げようとかまえただけで暴れます。

それでも少し風が穏やかになったのを見計らって投げると、浮く浮く! 元の動力付き発泡クリックでも翼面積拡大版はモーターのブレーキも使ってスロープでけっこう遊べたのですが、それとは別世界の鋭い?飛び。
DLG用に合わせた重心位置はエレベーターが非常に過敏で、しかも速度があがれば自然に頭を上げてしまいます。
送信機設定をやり直し、慣れてきた頃には強風の斜面風でもくるくる舞ってくれました。

これ スロープではなかなかよろしいようです。

風に弱いわけでもなく、向かい風で押さえつけられるわけでもなく、かといってアプローチで頭上げのまま減速もできますし、運動性も良好。
クラークYにエレボン跳ね上げとは違いMH60だと背面のダウン補正もそれほど大げさでもありません。

ただ、主翼下面の赤いオラライトは離れると視認性低いです。垂直も上下対称のため姿勢がみずらい事がありますが、これならばもう少し翼長拡大して、薄い翼でもっと重い機体だとなかなか面白そうです。
作ってみようかな・・・
エレベーターは忙しいですが、なかなか面白い機体になったようです。
現状からもう少しだけ重心前に出すと縦安定がかなり向上するのですが、平地のランチで滞空する速度ではエレベーターの効きがかなり落ちてしまいます。
速度の出るスロープならこの設定でも良いのかもしれません。
スナッピーだと前に進まないような風でしたが、小型の無尾翼あなどれません。

2006/07/22


地元のスロープでけっこう条件の良い状態で飛ばせる機会があり、重心位置を再調整しました。これまでもそこそこ浮いてそこそこ走って運動性もなかなかだったのですが、気持ちピッチング癖と速度によってピッチ軸のトリムが変わってきてました。

機首の重りを2.5グラムから5グラムに交換し気持ち重心位置を前に出したところ、ピッチングがほぼ解消。走りも向上してくれました。
平地のフライトには厳しい性格となってしまいましたが、微風から強風まで小さな機体が普通に飛び回るのはなかなか楽しいです。

もう少し薄翼にして胴体後部に通常の垂直尾翼を付けた形にしてやるのも良さそうです。

平地DLG用には発泡コアに要所に補強を入れてにオラライト貼りの方が向いてるかもしれません。

2007/02/17








Koubou Sirokuma