京商 タイガーモス40電動




モーター:ハイペリオン Z4020-10 (748kv)
バッテリー:PQ4400mah 4セル
ESC:ハイペリオン TITAN-80-PO
備考:パイロット未決定
重量:つり下げのバネ秤ではかって 2900グラム位

京商の40スケールシリーズの機体です。2006年1月現在もう京商からは廃盤になっていますが発売されてすぐにお店に入っていたキットをずっと家で寝かせていました。
当初はポリクエストの2600mahが出たばかりでこれの3セルを2並列にすればどうかなと思っていたり、メガの22シリーズのモーターでニッケル水素12セルくらいならどうかなと思っていました。
電動化された例もいろいろあったのですが、今年は作ろうと思いつつ・・・そのままでした。

ピッツ40の電動化でそこそこの結果が得られ、ハイペリオンから大型の廉価版モーターが出た事からゆるめの設定で消費電流抑えて長時間フライトの方向で設定すればポリクエストの4400の4セル(旧型の10Cコンスタント)で行けるのではないかと、サーマル工房のASK21のロールアウト後にやっと着手しました。



箱から胴体を取り出していきなり 「重い・・・」とずっしりとした手応え。
ピッツはエンジンマウントとバッテリホルダーの変更だけでそこそこいけましたが、この機体は甘く無さそうです。


オラテッックスのカブイエローを一本買ってきて、元のフィルムを遠慮無くはがしていきます。
生地状態は「見なかった事にしとこ」と思ってしまいますが、この状態で胴体後部の余分な所を落としていきます。
この時期の中国製ARFは(ヒロボーもですが)一見バルサの様に見える中国桐のあまり品質の良くない物が使われている場合が大変に多いです。この機体も胴体上面の曲面プランク部は異様に柔らかいバルサでしたが他は桐とベニヤです。
後部底面から胴枠の位置に見当を付け底と側面の余分な所をカットします。
この穴が空いたらここから胴枠(重いだけで強度はあまりないベニヤ)の余分な部分をリューターで落としていきます。
フィルムの収縮に耐える強度があれば十分ですし、工場での組み立て作業のために確保された胴枠の強度は組み上がった状態では余分な物でしかありませんからここを落としていきます。

どう考えても52サーパスを普通に積んだらテールヘビーになりそうですね。
試作段階では良質なバルサを使ってたんでしょうけど。

操縦席の前席から斜め下にバッテリーを積む予定ですので、2.5ミリの航空ベニヤで作ったバッテリーボックスが入るように加工します。ボックスの位置はモーターと無線機を載せて主翼仮組の状態で重心位置を確認して決めます。
バッテリーが外から見えてしまうのはちょっと不細工ですが、飛行準備をしてバッテリーを搭載し接続して無線機の電源を入れるという手順を考えるとオープンコクピットの機体なら外からコネクターの接続が出来る方が便利と思います。

操縦席背面の胴枠も余白を残して削り落とし1.5ミリバルサを貼って水性の?オイルスティンで染めてクリアラッカーで仕上げます。

中国製ARFに良くあるごつすぎる防火壁には強固な樹脂がコーティングされていますが、この樹脂とエポキシはあまり相性が良くないためモーターマウントは素直にK&Sのアルミ製を使いました。
タイガーモスは機首部がけっこう細いのですが、ハイペリオンZ4020がぎりぎり入ります。K&Sのマウントは前後調整もできますのでモーターの載せ替えにも対応できます。Z40モーターの取り付け穴に合わせて元の3ミリ穴を4ミリに拡大します。

モーターマウントを仮止めし、モーター保持に必要以上と思われる部分はやはりリューターで削り落としておきます。

重いだけのベニヤのサーボマウントは2.5ミリの航空ベニヤで作り直しカーボンクロスをエポキシで貼って花屋さんのラッピングフィルムでサンドイッチして一晩寝かせれば軽量でネジのしっかり効くものが作れます。

ラダーは実機に似た取り回しのワイヤーリンケージ、アジャスターもサーボホーン側に付けて見た目重視。
エレベーターは普通にバルサ丸棒のロッド。
各ホーンは航空ベニヤで作りました。

受信機用電源は手元にあったGPの1100mahセルを4本で組んで別電源。少し重くなりますがレギュレーターより無難です。

主翼貼り線は不要と思いましたが、翼のアライメント保持のためリンケージ用ワイヤーで作りました。
地上張線と飛行張線はOリングを途中に入れてテンションかけます。ホルダーは内径3ミリの圧着端子を縦にペンチで潰して穴を空けて共締め。

バッテリー積載状態で2.9キロほどで仕上がりました。
キットの箱を見ると2.6から2.8キロで仕上がるとありましたが・・・ ほんまでございましょうか?
バッテリーを無理に前に出さなくても軽量なモーターで重心合いました。



ペラ選択
ピッツではもう少し低いKVのモーターで13*10Eペラを使っていますが、この機体は速度は必要ありませんので13*6.5Eペラを使ってみました。
標準設定のコントローラーで4セルリポで42A程度流れています。推力は十分あります。
けっこう回転が上がるようでEペラの美味しい回転域をちょっと超えるような感じもしますが、とりあえずこれでテスト。
GP用の13*6や木製の13*6ペラを後にテストしてみようと思います。



テストフライト

やや小雨交じりの中、まだパイロットも乗ってない状態でトリム合わせフライトに向かいました。
風は穏やか。機体は組んだまま車に載せていきました。
バッテリーを接続し、送信機の電源を入れスロットル最スロー、受信機電源を入れバッテリーモニターをチェックしコントローラーの起動音を確認して発進。

タキシングでの取り回しは機体が40クラスという事もあり非常に楽です。風に正立させゆっくりとパワーを入れていってもグランドループの様子は全く無く素直に走って尾翼を上げます。そのまま少し待って普通に離陸。80%パワーで余裕の離陸でした。

エルロンにアップ側を少し多めに取る差動を付けていますが、エルロンの変な癖は全くありません。OKの10タイガーモスはラダー使わないと旋回しずらい部分がありましたが、この機体は普通に飛びます。当然ラダーも使った方が(実機はラダーで旋回しバンク角をエルロンで制御する様です)綺麗に旋回します。
エレベータートリムはほぼ中立。左右癖をエルロンとラダーのトリムを組み合わせて合わせて行きます。通常の機体はエルロンだけで合わせることが多いですが、タイガーモスはラダーもくわえてやった方が良い結果が出ます。

トリムが合えば非常に落ち着いた機体です。40%パワーで水平飛行でスティックから指を離せばそのまま真っ直ぐに安定して飛んでいきます。10クラスと違い乱流にも振られにくくしっかりと浮いて飛びます。
下翼だけのエルロンでフラットボトム翼ですがロールも普通です。スナップロールは1テンポおかないと入りませんし、失速からすぐに回復します。フルパワーではそこそこ走りますが、抑えめの方が雰囲気出ます。

着陸も伸びすぎず速度も抑えられ(進入時のモーターはオフではなくアイドリング回転維持)穏やかに主輪で接地ししばらく走って尾輪が接地します。何もしなくてもこうなります。
タイヤの位置が適正なためバルーニングや前転はありません。

非常に穏やかに素直に飛ぶ機体となりました。
運搬にちょっとかさばりますが、広い場所での息抜きフライトには最適と思われます。

主翼の分解組み立てがちょっと時間かかるのが難点。

2006/02/14