元々のモンキーのミッションは4速で、どちらかというと3速プラスオーバードライブというギヤの割り振りです。とことこ
走ったり、50で乗るには丁度良い設定なのですが、流れの速い坂道で3速で目一杯回して上り、4速に入れると失速という事があり、3速でぎりぎり上が
れる減速比となるようスプロケットで合わせていました。
とはいえ、3速で10000回転近くまで引っ張るのも精神衛生上悪いですし、ずっと懸案でしたが、消費税率変わる前の
飛び込みでウェビックの通販で入手し、交換作業をしました。
作業にあたり、スイングアームを整備スタンドに載せ、マフラー、フロントフェンダー、ブレーキペダル、キックアーム、チェンジ
ペダルを外します。オイルも抜きます。オイルクーラーからの配管もシリンダー側で分離。
今回は先にフライホイルを外し(ニュートラルスイッチと発電・点火系はコネクターで分離)ますが、フライホイルプーラーが良く在るカブ用のものが合わず、
(コイルがケース側にある)プーラーを急遽調達。
適当にテンションかけたらプーラーを軽く叩いて振動与えて気長に待てば抜けます。
この状態でエンジンを降ろし、シリンダーヘッドを抜き、クラッチを分解したら、クランクケースが分割できます。

クランクを抜いたらスターターシャフトを抜き、ミッションを抜き、5速ギアの純正ケースと接触する部分を切削加工し、ガスケットをカッターで地道に落とし
ます。
オイルフィルターのネットも綺麗に清掃。
キックスターターのギヤは、私のケースでは接触しませんでした。
切削が終わったらひたすら清掃。
説明書を良く読み、スーパーゾイルスプレーを吹きつつ、5速ミッションをニュートラルの状態で組み合わせケースに入れます。

ミッション本体以外は、ケースの中はそんなにややこしいものではありません。
ケース左右を仮組し、動作チェックの後、本締め。

今回は、武川のチェーンテンショナーと、分解ついでに強化カムチェーンを組み込み(分解時の6oの皿ネジを緩めるのがけっこう難儀でしたが)クランクシャ
フトサポートを入れてみました。
88のSステージ程度で必要かどうか微妙でしたが、高回転が綺麗に回るようになった様な気はします。
ケース組んでクラッチ回りを組んだらエンジンをフレームに戻し、シリンダー・シリンダーヘッドを組みます。52o程度のピストンのリングは手で十分組める
のですが、老眼が進み作業難航します。
R100RSの強力な刃物の様なリングをドライバーと素手で組んだのは遙か昔。
ピストンリングコンプレッサーを素直に使った方が時間の無駄がありません。
今回、吸排気のポートの拡大を計画していましたが、排気ポートのど真ん中にO2センサーが鎮座しており、拡大するなら相当削り込まねばならず、とりあえず
10500位回ってるのでそのまま組みました。
チェーンテンショナーのピストンを下から支えるボルトが今回も固着。
以前純正の6角ボルトで固着したので、トルクかけまいとHEXネジに交換していたのですが、それでも固着しています。
という作業を終え(休みながら数日かかりましたが)ホンダのG3オイルを入れて、近所をゆっくり走って初期慣らし、翌日お世話になっている単車屋さんで、
最近ほとんどの単車に使っているカワサキのエルフ製黄緑オイルとスーパーゾイルに入れ替えました。
(加工時のゴミやら、初期の金属粉やら出ますので、捨てオイルとして一回換えるようにしてます)
スプロケットは、計算でいろいろ考えましたが、(うちのはクラッチだけキタコのに換えてあり一次減速が武川と違います)14:37で試走。どのギヤもパワ
フルでしたが5速で少し回りすぎるので15:37で様子見しています。
14:35あたりが良いのかもしれませんが、15:37で4速がけっこう引っ張れますので無難かもしれません。
エンジンは、武川の大容量インジェクターに交換し(ボアアップキット購入当時の純正インジェクターにFI-CONでは薄すぎた)サブコンもFI-CON2
に換えています。
エアクリーナーボックスは純正のまま(紙の乾式フィルター丸出しはツアラーとしては嫌なのです)ですが
エレメントの外カバーに吸気穴とインテークリップ追加し、中は

50用にトルクを稼ぐためインダクションボックスの中でうねっていたダクトを切断し、ジュラコンでインテークリップを作りここから先は真っ直ぐインジェク
ターに空気が流れるように小細工しています。
これとFI-CON2の回転リミッター解除で高回転まで回るようになりましたが、長めのインテークと排圧のかかる50用純正マフラーで中間トルクをしっか
り出して、最高速抑えめでのんびり走れる仕様も悪くは無いです。(一時期そういうセッティングしていました)
純正マフラーは、触媒の後ろのドレーンから錆びた水滴が出てきますので、ドレンにニップル付けてパイプでシャーシ下まで引っ張るのも方法かもしれません。
音のうるさいオートバイは嫌いなので、消音効果下げてパワー出たというのは嫌なのです。
実走してみると、5速まで気持ち良く継がります。ギヤの精度も悪くは無く、タッチが渋かったりニュートラルが出にくかったり、引っかかったりという事は全
く心配無用でした。
4サイクルの88ですので、びっくりするようなパワーがあるわけではありませんが、純正4速で、4速から旋回進入で3速に落とすと、ガコーンと落ちていた
のが、スムーズになり、引っ張りすぎなくても良い感じに回転域が使える様になりました。
長時間の走行で、シフト回数が増えるのは仕方在りません。
案外、武川から出ている、純正4速の4速ギアの減速比をクロス気味に入れ替えるキットで、ファイナルの減速比で合わせて行くのも面白いのかもしれません。
2019/10/16
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