工房しろくま
小型電動飛行機の部屋
フライングスタイロキット F−16
モーター:モデルモータース ミニAC1215/16
ダクト:Vasa Fan 55
コントローラー:HackerJeti 18A
バッテリー: HECELL 8セル
受信機:シュルツ アルファ440
サーボ:GWS pico+BB *2
重量:445グラム
以前アサミさんでも売られていたチェコのフライングスタイロキットのF−16です。
当時はフリーフライトのグライダーかゴム動力(プッシャー)で飛ばすか、電動化して排気ダクト後部のプロペラでRC化できるキットとして売られていました。
ある日アメリカのホビーロビーのページを見ていますと、小さなF−16のキットが紹介されています。VASAファンの55ミリを使い、胴体下に大きな穴が開いているのですが、あの相模の280BBモーターでけなげに快音を立て飛んでいます。
こ・・これはおもろい!と釘付けになったのですが、当時VASAファンがホビーロビーに在庫切れだった事や、これがあのフライングスタイロキットのF−16だとは直ぐに思えず(大型化した新しい機体だと・・)ええなぁ・・と見てました。
好き者の模型屋さんが、ホビーロビーからこれを入手してみると、まさにあのフライングスタイロキットのF−16でございました。丁寧な事に最初からEDFユニット搭載の簡単な図面も入っており、F−16の電動ダクト機で見かけるエルベーター操舵で良い様でした。
で・・ しばらくすると日本のウインさんがこれを正規に輸入して下さり、その1機が手元に届きました。
この機体、ベルギーの縞々虎仕様と尾翼に虎のマークが入ったものが現在入手できます。(私のは尾翼に虎印)
*箱絵はライトグレーの米軍機仕様です。これがF−16らしくて良いのですが曇天ではこれほど見えにくい塗装も無いでしょう。
私の機体の塗装の物でも前面投影面積が小さい事もあり、着陸進入で最後の旋回を済ませたあたりから大変に見えにくくなります。
ベルジャンタイガーカラーの黄黒のしましまなら見えやすいのですが、うる星やつらのおとっつぁんの宇宙船の色にどうしても見えます。
手間でなければ多少の重量増加を我慢し、サンダーバーズカラーにするのが良いかもしれません。純正塗料もそれほど食い付きが良いわけでも無いですし、表面をマイクログラスコーティングして上からあっさり塗装する方が良いかもしれません。
ライトグレー塗装にして、マーク類はキットの転写マークをスキャナーで読ませて、レーザー対応のタックフィルムに黒で出力させればベストかもしれません。
メインスパー
3ミリバルサでメインスパーを作る様になっています。バッテリーが決して軽くは無いこと、それなりに速度も出る事からスパーに瞬間でマイクログラステープを貼り、3ミリのカーボンロッドを貼り合わせています。
中央部はダクトの吸い込みのじゃまにならないよう(ほんまかどうかは知りません)対称翼風に整形(リブ入れてケント紙)してみました。しなくても何も問題ありません。
水平尾翼取り付け
メインスパーができたら主翼を取り付けます。鉛筆でガイドラインを入れておき、30分エポキシで固定。発泡スチロール用接着剤で問題はないでしょう。
胴体下面の大穴、開けたくないのですが、ここを開けないとダクトが中に入りません。サーボも取り付けられませんので、吸気に使う使わないは別として、ハッチを開けます。
本来の吸気口の内部に余分なスチロールが出ていますが、ここは一応切除し吸気のじゃまにならないようにします。
エレベーターはアメリカの作例ではサーボに直接付けてフライングテールという物もありましたが、無難にカットし動翼側を45度に削りヒンジテープで着けておきます。
水平安定版の中心部に2ミリにカーボンロッドをエポキシで埋め込んでみました。スチレンペーパーをエポキシで貼り合わせるという方法でも良いでしょうし、そのままでも強度は問題無いとは思います。
排気口から
補強のカーボンロッドを3ミリバルサ片で受け、水平尾翼の保持にします。
サーボはGWSのPICO+BBを使いました。出力軸の面だけ出るように胴体へ穴を開け瞬間で固定し、胴体内側はマイクロバルーンを混ぜた5分間エポキシで固定します。サーボを信用しましょう。
ダクト接着 エレベーターホーン接着
ダクトの上部に5ミリのスチロール板で枕を作り胴体内部上面のアールに合わせて加工します。(なくてもいいんですけど)
胴体をひっくり返し、ダクト前部上面と後部上面をエポキシで接着し硬化後後部下面を接着します。胴体のセンターから見ると、ダクトがアップスラストになっているのですが、説明書の指示ではこれで良い様です。後部下面から吸入する事で頭を上げようとする事の対応でしょうか?
モーターとコントローラーの配線は、17ゲージ程度のシリコンコードがあれば良いのですが、市販の1.25ミリの普通のコードを使いました。ちょっと重いです。
エレベーターホーンは1.5ミリ航空ベニヤからの切り出し。両面を瞬間接着剤で締め、エポキシで動翼に接着。
モーターへのケーブル
コントローラーからモーターへのケーブルは三つ編みにして胴体内壁にテープで押さえておきます。
コントローラー固定
モーターコントローラーはキャノピー後部の内部上面へベルクロで固定します。コントローラーとバッテリーのケーブルを短くしたいため、この位置となります。
(多発機の場合、コントローラーからモーターまでの結線を長くし、バッテリーからの結線は短くするというケースが多いためです)
キャノピーの固定にはOKの小型機用ラッチを使いました。キャノピー後部へ3ミリバルサにて胴枠を入れておきます。
垂直尾翼取り付け
垂直尾翼をエポキシで接着します。な・ぜ・か・・・ 垂直尾翼はねじれていたのですが、それとなくまっすぐに成るように接着。
主翼翼端には1.5ミリの航空ベニヤを貼り、翼端のミサイルランチャーは省略します。
エレベーターは上下15ミリの設定で、-20%程エキスポを入れておきます(双葉での設定の場合)
エルベーターではなく、エレボンの設定で良かった様です。エルロンも上下15ミリ設定。
それぞれノーマルモードを70〜80%のトラベルとし、キックアップで100%に設定します。
どの程度効くのか飛ばしてみないとわかりません。
モーターの回転方向確認でちょっと回してみると、けっこう引いています。メンテナンスハッチが開きっぱなしなのですが、吸入口の細工はいろいろ工夫できそうです。
吸気口
吸気口はキットのダクト改装用説明書に書いてある通りで一応あけました。
E-zoneなどのレポートを見てもメンテナンスハッチを開けた方が吸うのではありますが、着地で傷みそうなのと見た目優先でこのままテストします。
秤に立てた静止推力測定で150〜180グラム程度は出ています。機体が軽いので飛ぶんじゃなかろうかと。
舵角設定
エレベーター動作 上下15ミリ エキスポ-25%(双葉での設定)
エルロン動作 上下10ミリ エキスポ-20%(双葉での設定)
万が一?のデュアルレートでキックダウン側をそれぞれ70%で設定しました。
(実際に飛ばすとエレベーターがやや敏感、エルロンかなり鈍感・・・)
重心位置はキットの説明書では前縁から85ミリ。E-zoneのレポートを見ると2’7/8インチ(71ミリ?)でした。
とりあえず前縁から80ミリあたりで投げてみたのですが、もう少し前の方がピッチ軸は安定します。
ただ飛行姿勢は頭上げとなりエレベータートリムはかなりアップになります。
このあたりは飛ばしながら調整しなければなりません。ちょっとじゃじゃうま。
とりあえず完成。
テストフライトでコクピット回りの開口部に皺が寄りました(落ちました)ノーズコーンから主翼前縁までの内側にガラスクロステープをエポキシ樹脂(Z−POXYの仕上げ用)で貼っておきました。
飛行動画
1回目のフライトテスト WINDOWS media player 1.47MB
撮影担当 森井秀顕氏 こんなふらふらする物を良く撮ってもらいました。感謝
風がけっこうありました。手投げで何度か失敗してます。(飛んだところしか残してません)
風下へはブラシレスダクト機の様に飛んでますが、風上へはパークフライヤーか風見鶏です。
乱流で暴れているのか操縦技量か・・・
速そうに時々見えますが実際はそれほどではありません。不安定な飛びの割に推力は安定しています。
もう少し吸気口大きくした方が良いかもしれません。(インテーク後部の吸気口を後ろに10ミリほど大きくしました)
2003/05/29
製作の補足
ホビーロビーなどの製作ガイドを見るとコクピット回りの開口部を加工してからキャノピーを接着するようになっていますが、予めキャノピーを接着しキャノピーの外縁に沿って開口部を作ると後で見栄えが良くなるような・・気がします。
胴体内部は手をつけていませんが、製作前に胴体下部や背面を新品の刃を付けたカッターで切り開き、内面にエポキシ樹脂でマイクログラスを貼り込んでおくと胴体の剛性が上がるのではと思います。(重くなりますが、推力に余裕のあるパワーユニットを使うのならこの方が飛ばしやすく長持ちするでしょう)
主翼下面や水平尾翼下面には予めマイクログラスを貼っておくと良いのかもしれません。(この場合水平尾翼のカーボン補強は不要でしょう)
ざっと研いでスプレーで塗装しておけば目立ちません。
あまりやるとスタイロフォームキットのメリットが減って来るのでそこそこに・・・。
ダクト後部のガイドは在った方がいいかもしれませんね。
2003/05/30
追加
ダクトユニット後部へ延長ダクトを追加しました。全長50ミリ、入り口内径55ミリ出口48ミリ。
樽に見えますが・・違います。
両端に円形のガイドをつけた治具を作り、1ミリか0.8ミリのバルサを巻いていきカーボンロービングとグラステープで締めていきます。瞬間で良いでしょう。
当初スチレンペーパーで筒を作り、グラステープをエポキシ樹脂で貼って作ってみたのですが失敗し、バルサで作り替えました。当然ケント紙で作り、ポリエステル樹脂かラッカーで固めるという方法もあります。
延長ダクトで静止推力が20グラムほど上がり、流速も上がったような?気がします。
一応この外側に排気口が付きますが、ダクトユニット出口と段差があるため、内側に正規の延長ダクトが在った方が効率は良いのかもしれません。
(推力増加は前部底面吸気口の拡大の方が大きいのかも)
ちなみに静止状態のフルパワーで10Aでした。
もう少しダクトユニットの搭載位置を前に出し、後部ダクトを長く作ってやるのも良いのかもしれません。
2003/06/01
2回目のフライトテスト
今回もやや風の強い日でした。ダクト後部の樽を装着し、重心位置は前回と同じ。後部の樽と機首部のグラス補強分(といっても重量はそれほど増えてはいません)が相殺かやや重心位置前進というあたりです。
エレボン動作のエルロン分を前回抑えめにしていたのですが、今回は左右15ミリまで増やしています。
風に向かい強めの手投げ、機首を上げ速度が上がりにくいのですが、だましだまし加速。
1回目のテストでトリムはほぼ合っていますので、機体はそれほど暴れません。
エルロンはこれでもまだ敏感とは言えませんが、ゆっくりしたロールは可能でした。旋回中にやや頭を抑え気味にしないとパークフライヤーの様に小回りをしてしまいますが、高度損失はそれほどありません。ダクトの推力も極端に低下するわけでもなく、見た目とかなり違う飛び方をします。
操舵感覚も得られ、エレベーターでだましながらのローパスもだいぶ安定してきました。速度は後部ダクトと吸入口拡大で伸びています。
単発ジェットとしては過ぎ去っていく後ろ姿が綺麗です。
一応ブレンデッドウイングボディ・・という事で速度が上がると胴体の揚力がかなり出てくる様です。
パワーに余裕があればもう少し機体重量が在る方が旋回で慣性がつきやすいのかなとも思えます。
手投げ直後はエレベーターが効きにくいのですが、着陸進入ではパワーを抜いても案外ふわふわ降りてきます。
このあたり、ダクト吸入口の位置と面積、重心位置の絡みがいろいろありそうですね。
現状でも着陸誘導が非常に楽です。
ホビーロビーのフライトビデオの機体は、胴体下部のメンテナンスハッチががら空きで完全に推力が出ていますので、高速なロールができていますが、実感を損ねない範囲では現状で良しとしなければならないでしょう。
もっと高翼面荷重で高速な機体なら本来のインテークからの吸気が確保できる様な気もします。
着陸が ふわっと進入し最後がどっすん・・という感じですので、インテーク下部とバッテリーホルダーとの間にステーを付けてやって強度を確保すると良いかもしれません。
>と・・思って、3ミリバルサのステーの両面にマイクログラスを貼って補強したステーを付けました。
これで着陸は心配ないわい!と思ってましたら・・
ホビーロビーのフライト画像 無断転載ごめんなさい
ついとりましたな・・・ やっぱりやりますな>ホビーロビーのスタッフ
考えることは一緒みたいです。
でもこの画像、インテークのプラパーツが無くなってるのでは???
ここを最初から切り取って、スチロール板積層にグラスをエポキシで補強したインテークにしてやって、前面の吸気口の内側を薄く作れば面積が気のせい?位には拡大できて高速時に良いのではと思いますが・・・(次作の課題)(着陸で壊れやすい所ですし・・)
こういう姿勢でもF16らしくかっこよろしですな。
意外に低速からも推力があり、スタイルは完璧です。楽しい機体です。
後部ダクトは必須かもしれません。
2003/06/02
多少飛ぶようになったフライトの動画 Windows media player 2.3MB
推力が安定し、以前ほどあわてなくても飛ぶようになりました。現状の吸気口面積ではこの程度かもしれません。
(でもお腹に大穴がというのも・・・)もうちょっと引いてくれるとループも問題ないでしょう。
ピッチ安定はあまり気にならなくなりました。
Hacker B20-15L で500AR10セルだとけっこう良いかもしれません。(2分ちょっと・・でしょうけど)
シルエットはけっこうF16にみえて来ました。
「こりゃぁぁ みえん!」とか・・ 「うぁ!」とか・・撮影が大変だった様子がわかります。
2003/06/08 無理にお願いし撮影して下さった方 沖村さん(RC119)感謝!
こういう変な機体を嫌がらず取り寄せて下さるお店です。ご利用下さいね。
着陸角度が深すぎて・・ インテークが後で壊れとった・・とかは言いますまい。
2003年5月末の時点で、Li-Poバッテリーで10A長そうとするとE-Tecの1200mahセルで3セルの2並列なら可能ではあります。
この場合、モーターは1215/20やHackerのB20-18L等が使えます。
ただ・・・ 1200パック6個使うと重量ではHeCELLの8セルパックと15グラムほどしか変わりません。HeCELLでも5分は楽に飛びますので現時点ではこれにLi-Poを使うのはどうなんだろう?ではあります。 フルパワーで10Aですから400ギヤダウンより有利ですけど。
でもこれも半年もすればLi-Poであたりまえ・・になるんでしょうね。
機体の構造的にバッテリーも良く冷えます。尻尾に強力な冷却ファンがついてますから・・。
Li−Poバッテリー ちょっとテスト
E-Tecのリチウムポリマーバッテリーがなかなか使いやすく放電性能も安定しています。
エスパー400で使っているE-Tec1200の3S2Pパックを使い、F−16でベンチテストをしてみました。
満充電の状態で、100%出力ですと
14.8A / 10.5V という結果が出ました。
推力は計測していませんが、HeCellの8セル時より回転は耳でわかる位上がってはいます。
計測のためキャノピー部分を取り外した状態ですので、吸気の抵抗は実際より少なくなっています。
2分程度の計測で、徐々に電流値は落ちていきましたが、13.5A程度は維持していました。
発熱はかなりあります。(私の他の機体での使用に比べて)キャノピーを取り付けるとバッテリーへ冷却口からの外気が吸い込まれてきますので、静止状態よりは冷えるとは思いますが、過負荷かな?と思わなくもありません。
元々8セルまでで設計されたモーターですので、これをモデルモータースのMINI AC1215/20でありますとかHackerのB20-18L等kv値が低いモーターを使えば、電流値は抑えられるかもしれません。
可能性はありそうですね。
2003/07/13
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