工房しろくま


小型電動飛行機の部屋



MicroBipe (RBCキット)
 初期仕様  改装しました

 モーター:マブチRS380 (QRPギヤダウンユニット) 減速比 16:36
 プロペラ:グラウプナーCAMプロップ8*4
 バッテリー: 500mah*8 (QRP製)
 受信機:RCライン SR−4F (改装前は JETI 4ch)
 サーボ: GWS NARO HP BB *4
 アンプ:シュルツ スリム24be (改装前は RCライン 20B)
 全備重量:540グラム (改装後40グラムも増えてしまいました)


RBC社の400クラス電動機のキットです。アサミさんなどから輸入されているMICROBEなどのシリーズになります。
エレクトリックフライト誌にナイフエッジできますよと紹介されていた機体ですが、思いの外早く日本でも入手できました。

MICROBEもなかなか特殊な構造で、手がつきにくかった(まだ着手していません)のですが、今回はキットを持ち帰った夜にそのままCNC加工されたパーツをカッターで抜き始め、寝る前には上下の主翼ができていました。
コンピューター上で設計されたものをそのまま2ミリ程度のエンドミルで加工されています。OK模型のレーザーカットほどの精度はなく、またバルサ材も日本製のものほど高品質ではないのですが、はめ合いの精度はなかなかで、仮組だけで形になってゆきます。適当な毛羽立ちが瞬間接着剤との相性も良く、効率よく作業できます。なかなかのものです。


この状態になるまで、延べ3日で仕上がりました。胴体は2ミリと1.5ミリの材料で組んでいきますが、はめあわせで剛性が出てきます。
垂直尾翼の肉抜き部分のため、ラダーが少し弱いような気がしましたので 下側の穴の側面にCの字型にカーボンロービングを沿わせ瞬間接着剤で固めました。エレベーターのつなぎの部分も裏側から同様に補強します。
後部胴体上面は縦通材で組んでいきますが、フィルムを張ったときにたわんでしまいます。私はそのままにしてしまいましたが、上面のアール部分に2ミリバルサを張って成形するなどの補強をした方が仕上がりはきれいになると思います。
主翼は上下共に完全対称翼で上反角は0度です。定盤の上で正確に作業できると思います。(私はすこしねじれました)



QPRのギヤダウンユニットに合わせ、マウント穴を開け直します。グラウプナーの1.8:1のユニット等が純正指定されていますが、イギリスなどでは入手しやすい値段で手に入るようですが日本ではそうはいきませんので、QRPユニットを使います。
私は純正の32枚スパーに16枚ピニオンの2:1で使っていますが、30枚スパーをつかうとほぼ1.8:1になります。
MICROBEの製作でどうしようかと悩み、入手しやすいQRPユニットで考えていたのですが、黒澤さんのHPにMICROBEの記事が掲載され、拝見しますときれいに搭載されており、今回は安心して使えました。
但し、プロペラアダプターの構造上、QRPユニットの方が鼻が長くなりますので、先端のリング部分を3ミリバルサで延長します。
余分な穴はくずバルサを突っ込んで瞬間で固めてしまいます。

MICROBEではあった防火壁の空気取り入れ穴がこの機体では省略されています。飛行時間から問題ないのでしょうが、あっても良いかもしれません。


黒澤さんの記事に指摘されていたエルロンの取り付け部分は、やはりフィルムのテンションで波状にゆがんでしまいました。
フィルムをはがし(オラライト・ブルー)上下に1.5ミリバルサで補強を入れます。最初から加工して置いた方が良いですね。
主桁の前側も定盤の上で固定しておき、1ミリバルサでプランクしてやれば主翼の剛性がもっと向上するかもしれません。


400クラスの小型複葉機なのですが、何故かエルロンサーボは2つ使うことが指定されています。
双葉のサーボではホーンが短く外に出てくれません。GWSのNARO HP BBを使いましたが、大きめのホーンを使い送信機側のATVで動作幅を抑えてやる方が(あまり面白いことではありませんが)調整は簡単と思います。
標準ではピアノ線だけで処理する様になっていますが、エルロンホーンに瞬間接着剤を染み込ませ、テトラの小さいロットアジャスターが使えるように加工しました。(アジャスターのネジ部とクレビスの根本は短くしてあります)
6CH用などの受信機を使用し、送信機のマルチミキシングで左右独立して制御する方が(フラップ使いませんけど)リンケージは簡単かもしれません。
サーボ1個で制御するように改造しても良いかもしれません。



そのほかに・・・




フライト・・
少し風のある午後、近所の河川敷でテスト致しました。
アエロナウトのペラを使ってみたのですが、バランスが悪く少し振動が出ていたようです。滑走で離陸できる機体ですが、路面の草が伸びており(スピンナーのあたりまで)、手投げでスタートします。
思っていたほど高速な機体でもないようで、それほどの沈下もなく上がっていきます。サイド・ダウン共にオフセット無しの設定ですので、若干パワーの増減の影響はありますが、トリム2コマ程度でまっすぐ飛んで行きます。
機体のわりにエレベーターの舵角が大きいのか、急激なアップ操作で失速反転に入りやすい癖はありそうです。ロールは送信機側での設定で、一杯に打ってゆっくりとロールをする程度です。
急激な旋回でも沈み込みはあまりないのですが、舵角はもう少し煮詰めた方が良さそうです。

風はあったのですが、着陸の進入も容易で、抑えはききます。極端な低速は苦手のようで、高度50センチくらいから失速を起こして脚が小破。軽量な構造で主翼固定というのはこういう時に頑丈です。

ペラを交換して、またテストしてみましょう。

2000/05/13


その後・・・

2度目のフライトテストで、ギヤダウンのスパーギヤを30枚から36枚に変更、ペラをCAMプロップの8*5に変更してテストしていましたが、ピッチ軸の安定がもう一つでした。
そうこうしている間に・・・とうとう墜落中破してしまい、断念しようと思っていましたが帰りの車の中で既に改装計画が進んでいき・・

このようになりました。

少し重量は増えますが、翼の捻れ剛性は大幅に向上しました。飛行中のねじれも解消できるはずです。
翼のプランクは上面だけでも良いかもしれません。

2000/05/19

改装後にテストフライトに行ってきました。
仕事が遅くまであり、夕刻に滑走テストだけでもと思ったのですが、グラウンドループの癖もなく、真っ直ぐ走り素直に離陸していきました。
実は・・上翼が定盤で組み直したはずなのに、少しねじれていました。(そのため手投げではリスクが大きかった)案の定、離陸後にスティックから指が話せない程左に振られていったのですが、ピピピとトリム調整する間に真っ直ぐ走ってくれました。
前回の失敗の原因はどうも主翼のセッティング不良と、重心位置が後ろ過ぎたためのようです。
今回は糸を引いたように走りますし、急激な旋回でアップを使っても失速しません。複葉機らしい素直な飛行を致します。
これならばグラウプナーのスリムプロップの8*6かアエロナウトの8.5*5が使えそうです。
足が短くなったのですが、着陸前の悪質な失速も解消され、足下でタッチダウン、転けずに滑走して止まりました。
大成功!!

ファンフライ的な要素も持っているようですが、しっくりした舵で素直な操縦性を持っています。
結果的に、前回までは重心位置が後ろ過ぎたためにピッチングの変な癖を持っていたようですね。
モータコントロールアンプは、このクラスですと、RCラインの20Bよりもシュルツのスリム24beの方が余裕があるようです。
改装後にJETIの受信機をRCラインの4chの物に変更しました。RCラインのアンプを使っている時はノイズで誤動作を起こすことがあったのですが、シュルツのアンプに交換してからはRCラインの受信機でも問題なく動くようになりました。表示出力以外の性能差がかなりあるようですね。


楽しい機体ができあがりました。

2000/05/23





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