工房しろくま


小型電動飛行機の部屋



零戦五二型 (エアリカ)

 モーター:誉21型
 バッテリー:120mah 6セル キーエンスレボリューター用を再パック
 受信機:GWS PICO4ch
 サーボ: GWS PICOstd *2
 アンプ:Pixie 7P (7A) (アサミさんから購入)
 スケール:二十四分の一
 重量:135グラム


大植さん原設計のエアリカの零戦五二型です。
最初にこれの二一型のキット(COX02仕様)を見たときに、あまりの小ささに作るのが相当難しいなと思いました。それを作った知人の話でパイロン機の様に空気に張り付いてすごい速度で飛ぶと聞き、さらに尻込みをしていました。
丸鷹の1/2Aクラスのスケール機のプランクでもかなり苦労(といってもそれは20年近く前の事ですが)した事から手を出さずにいました。

実は、この夏に本業の方の子供の研修会で紙飛行機を飛ばさせる事になり、二宮康明さんの機体(ホワイトウイングスなどと呼ばれる前の誠文堂新光社の頃の)などを作っていたのですが、アンドリュー・デュアーさんという方の紙製丸胴モノコックのスケール機を作っている間に、むらむらと製作意欲がわき、ついに手を出してしまいました。

昔のキットと違い、QRPなどは特にそうですが、エアリカのキットも非常に良質なバルサが高精度にカットされています。非常に作りやすく思えました。
側板はプランクの方法を少し変えた関係で一部作り直しましたが、非常に満足の行くキットです。

実機資料を探している間に、アメリカのプレーンズオブフェイムでレストアされた零戦の桶川でのフライトの写真が豊富にあり、横目で見ながらの製作です。





1/24スケールです。本当に手のひらサイズです。しかも零戦のセミスケール機にありがちな主翼前縁とカウリングとの間の間延びもなく、風貌前端からカウリングへのライン、胴体後部の三次曲面など、非常に良く再現されたキットです。
ボンネット部やフィレット部の整形に少し手間はかかりますが、なにせ小さな機体ですから作業で出るゴミの量もしれています。手のひらの中でどんどん形になってゆくのは楽しいものです。

主翼は当然の如く片側しか設計図は入っていませんが、A4用紙に楽に入る大きさですので、スキャナーで読み込み左右反転の後A4で出力させます。
リブの加工精度も非常にすばらしく、瞬間接着剤で非常に高精度に仕上がります。
胴体のプランクはかなり難しいのですが、キットのバルサは非常に良質の物で、湯に浸し根気よく曲げてゆけば割れる事なく加工できます。
多少製作者が工夫する箇所はありますがそれも楽しみと思えます。

テールヘビー対策のために、胴体後部はかなり肉抜きをし、サンディングもしてあります。完成後の測定では十分適正な状態でしたが軽いに越した事はありません。
生地仕上げの後、胴体は薄めたラッカーで生地を締めた後、ベビーパウダーを溶いたラッカーで目止めをしました。古典的な方法ですが、あっさりと東邦化研のウレタンサンディングシーラーを使った方が良かった様にも思えます。
今回はその上にプラカラーのスプレーで塗装しましたが、ラッカーの上にプラモデル用プラサフを吹いた方が塗料ののりは良くなると思います。
主翼と尾翼はアサミさんから発売されている極薄フィルム(ミラクルフィルム)を貼りました。尾翼は紙を貼った方が作業は楽かもしれません。
このフィルム、重量的には圧倒的に軽量で伸縮性も非常に良く、なおかつテンションが必要以上に高くないので、小型の電動機には最適と思います。
小型の電動機ですと、オラライトでもテンションが強すぎ、翼がねじれる事がありますが、このフィルムでは何も問題ありません。
塗装は専用のプライマーがあると説明書にありましたが、地方では入手が難しいので、テストピースに貼っては塗りを繰り返したところ、田宮のプライマーでは不適合、表面脱脂でもだめ、結局自動車用のウレタンバンパー用プライマーをほんの少し吹く事で対応しました。
主翼前縁の見方識別塗装は塗装後にマスキングテープを貼って塗りましたが、問題ありませんでした。

慣れた方ならば、全体を紙張りドープ仕上げが理想と思いますが、着陸での破損を考えると主翼はフィルムの方が良いでしょう。
胴体もあっさり紙張りで目止めしてやる方が良いかもしれません。

日の丸部分は、A4サイズの透明タックフィルム(インクジェット用)に出力させました。しかし透明フィルムでは裏面の色が透けますので、白色のフィルムかタック紙でもかまわないでしょう。プリント後、防水のために半艶の水性クリアスプレーを吹いておきます。
電動機ですので、紙のタック紙の方がなじみがよいかもしれません。
尾翼の61-120の番号は京商のカッティングシートをステカで切り抜きました。
白い帯は塗装で仕上げましたが、マスキングテープの食いつきが良すぎ、下地まではがれてしまいました。あっさり白のラインテープで仕上げた方が簡単です。

塗装色は、三菱系海軍機上面色 三菱系海軍機下面色 日本軍機見方識別色 三菱系機体内部色 日本軍機カウリング色 とそのまま売っていますのであまり迷う事はありません。
実際はレストアされた実機と比べると、上面が明るすぎ下面が暗すぎました。

マニアによってレストアされたエアレーサーという設定でオリジナル塗装も良いでしょう。しかし、戦争から50年近く経過して、アメリカ人の手によってレストアされた零戦への思いもあり、(資料があっただけですが)こういう仕上げになりました。

この状態で、全備重量135グラムで仕上がりました。140が目安でしたので私としては珍しく軽く仕上がりました。フィルム分の重量差でしょう。

本来はアルミ線で排気管を再現するべきなのですが、ここだけは省略。後回しにしました。




フィレット部等、余分な部分は削り落とします。サーボは2つともGWSのピコスタンダード。当初信頼性を気にしていたのですが、エコピッコロやホーネットで何もトラブル無く、安心して使っています。サーボは瞬間で接着になっていましたが、一応極薄の両面テープで貼っています。
エレベーターロッドはQRPの0.9ミリでは重く思い、EPコンセプト用のテールピッチロッドです。長さがしれていますので0.9でも良かったでしょう。
エルロンロッドは0.5ミリピアノ線。ちょっと細いような気がしますが、強度では問題ないでしょう。

バッテリーはキーエンスの120mah6セルを一度ばらし、左右に分けておきます。カウリングは2ミリのビスで固定できるようマウント側に2ミリのタップを立て、タッピングビスを使わない構造にしています。
主翼の固定は2ミリのビス。受け側は真鍮丸棒からネジ台座を製作しています。

モーターやバッテリーはマウントに輪ゴムで止めます。モーターピニオンと防火隔壁が接触しないよう、隔壁に穴を開けておきます。
このクラス最強と言うだけあって、180ミリのゴム動力用ペラを難なく回し良く引いてくれます。



零戦の事・・・

零戦という機体、個人的には戦争を直接思い起こさせ、空冷星形エンジン機という事もあり、あまり好みではありませんでした。これまでに製作したのは京商の発泡スチロール製電動零戦のみ。父が飛燕をこよなく愛していた(MKの飛燕は当時スタント機としても定評がありました)(市販の引き込み脚が無い時代にオリジナルの引き込み脚を作り飛ばしたのも飛燕だったそうです。当然リード式の頃です。私も青い0Sの送信機は覚えています。)事もありなかなかなじめませんでした。
本業の方で、門徒さんといろいろ話をしている間に、実際に大戦中に零戦を飛ばされていた方とも話をする事があり、もう亡くなられたのですが、良く知った方が九六艦戦から零戦に乗り換えた時、あまりにも着陸速度が速く、かなり難儀していたのが、慣れてくると地上の草まで見えるようになったというお話なども聞く事がありました。
2000年の年末、鹿児島の知覧へ行き、博多湾から引き上げられた零戦を見ている間に、決してそれは遠い昔の事ではなく、最先端の技術を持って熱意によって作られたものだと感じて帰ってきました。

戦後にプレーンズオブフェイムの人達によって復元され、エンジンこそオリジナルではありませんが、銃器を外し、純粋に運動性を追い求めた機体として日本を飛んだ機体です。

やっと零戦を作る気になった次第です。
基地間の機体のフェリーで、中国本土を5時間も跳び続けて、まだ中国国内だった、こんな大きな国と戦争しても勝てるわけがないなと思いましたよ、とゴビ砂漠の広さの話をしているときに、元パイロットの方が語ってくれました。



フライトまで・・

01や02クラスのエンジン機の経験のある方ならおわかりと思いますが、飛行機は小さくなると非常に落ち着きが無くなります。
このためにデュアルレートやエキスポネンシャルの設定は必須となります。そのため送信機は双葉の1024Zを使っています。

主翼を外さないと充電ができなかったり、電源コネクターをつないだあとで主翼を固定するなど、煩雑な部分はありますが、一日中飛ばし込む機体ではないので問題はありません。

実はこの誉21というモーター、非常に良く引っ張ります。機体重量も含めて飛ばさなくても良く飛ぶ事はがんがん伝わって来ます。
飛ばないどころか、速すぎて困りそうです。

とりあえず、人の少ない草の深い場所でテストをする予定です。



テストフライト 2001/08/23

お盆が明けて一段落の夕方、テストフライトを行いました。エスパー400のテストと同行。近所の友人に頼んでビデオの撮影(最後かもしれないので・・)をお願い致しました。

河川敷で知り合いのグループが飛ばしている場所、有志に依って草も刈られていますが、安全のため草の深い場所を選びます。
気持ちエレベータートリムをアップで(癖です)緊張しながら力を入れずに風に押し出してやります。このへんは丸胴紙飛行機と一緒。
ゴム動力機並みの大径ペラを回すため反動トルクの影響がけっこうあるようで左に取られながら草に突っ込みます。
機体が軽量な事もあり(けっこう丈夫です)ダメージは無し。
エルロントリム右にピピピと修正で再度押し出してやります。ペラの引きはかなりありますので、無駄に力を入れて投げる(姿勢が乱れるだけです)必要はありません。エレベーターを引くのにかなり勇気が要りましたが上昇力も問題なし。エキスポネンシャル設定が大き過ぎたのかエルロンがかなり甘いのですがこのサイズとは思えない重厚な旋回を続けます。風の乱れにはかなり敏感な様ですが、超小型機にありがちな過敏さも無く、パワーにもそこそこ余裕があり大きめのバンクでも変な失速癖はありません。
COXのPeeWee02を積んだ知人の機体が「パイロン機並み」と言っていましたが、速度は極端に速い感じはしません。旋回の張り付きがパイロン機並みという事だったのでしょう。
ここまで一切パワー不足は感じませんでした。 これで8セルなら・・・もっとすごい。
送信機のエキスポネンシャル設定が多すぎたためか非常にどっしりとした動きで、ループもロールも行いませんでしたが、エルロンのデファレンシャルはもう少し小さくても良いかもしれません。(キットの設定の方が変な失速癖が無くて良いとは思います)
01クラスの飛行機を飛ばしていた頃の過敏さは全く感じませんでした。あの小さなエレベーターが良く効いています。
着陸は速度を落としながら草の深めの所に軟着陸。無事帰還。

 ハンディカムPC5で追った静止画像からの切り抜き
撮影者:森井秀顕氏 多謝!!

これは良く飛びます
丁寧に操縦してやれば、手のひらサイズのスケール機が縦横無尽に駆けめぐります。大植氏のノウハウの結晶でしょう。

機体の保全のため、草の深い場所で飛ばした方が安全でしょう。



注意
間違っても、電動機は簡単だと思っている様な方は手に負えないと思います。機体の製作にも非常に技術が必要になります。
バルサ製のスケール機を数え切れないくらい作られた方で、02クラス以下のエンジン機の自作経験が豊富で(キットもないのですが)小型電動機の充電やモーターや飛ばし方のノウハウを持っておられる方にだけお勧め致します。




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